対立する者達を集め目指すは円満会議。けれど、実は議論点など既に無い。無の民は手詰まりになったから未来に解決策を求めた程だし
特に無の民の少年は今更議論によって救国の策を見つけられると思えない。でも千夜を倒せないからひらめきに頼るしかない
そうも進退窮まる者達を前にすれば、千の思い付きを持つ千夜ですら何の答えも出せない。それ程までに彼らの問題は難しい
その意味では、会議の場で千夜に求められたのは解決策を見出す事ではなく彼らへの理解だったのかもしれない
未来に来てあらゆる命を使って国を救うなんて千夜には遠い話で理解出来ないけれど、猛が例に出したように自分が過ごした村の為ならという話は理解できる
そこでようやく彼らも救われて然るべき存在と判るわけだ
解決策そのものは、八卦猫が簡単に見出したね。
けれどその策は乱暴なんてものではない。滅びを避ける為に別の滅びを取る、全てを救えない策を救済と納得できない少年が去ったのも納得できる話。残った2人が納得したのは己達が命を懸けてここまで来たからか。全ての命は救えなくても救える命はある、それが救済であると判る
救われるべき者の為に命をなげうつ彼らに千夜が掛けたせめてもの慰めが彼らの希望になればと願ってしまうね
戦いが終わった者達は逃げ出したり師匠に報告したり。それも一種の円満か
特に人間を見下していたムドが道錬の亡骸に向かって感謝し涙を流す様は胸を打つね。彼も長い旅の間に己が命を懸ける在り方を手にしたようで
そして、千夜は自分なりの納得として去ろうとしたのだろうけど、それを許さず地面に打ち付ける真介容赦ない…(笑)
千夜とて無の民と同じように救済を求め彷徨う者。そんな彼の旅を終わらせる為に真介達はどんな言葉を投げ掛けるのかな?