ただのTVシリーズ先行上映と思っていたから見る気が無かったのだけど、各所から聞こえてくるざわつきが本作を只者ではないと教えてくれたので急遽鑑賞
うん、本当に只者ではなかったよ……
非常にガンダムらしさに溢れていて、けれどガンダムらしくなく、同時に新たな機体の誕生を体感した
非常にリスペクト精神に溢れていて、それでいて冒涜的であり、新時代の幕開けを予感させた
そんな物語と感じられたね
そもそも冒頭からして仰天の連続。ファーストガンダムのオマージュかな?と思ったら、大地に降下する動きで「おや?」と思って更にジーンの名前が出て確信。どこまでパラレルを含む作品なのかとビクついていたら、あの人が乗り込んだ機体がアレで、更に機体があの色になって、戦争がああなっちゃうんだから驚くなというには無理がある
主人公不在の冒頭から数十分は本作がどのような背景を持っているか、衝撃を伴って教えてくれるものでしたよ……
そう考えると数年経過して、主人公・アマテが現れてからの流れは一転して大人しさを感じさせるね
ガンダムシリーズにおいて、主人公がどのようにしてガンダムと出会うか、出会うまでにどのような鬱屈をその身に宿しているかという点を描く工程はどちらかというと静けさが強く感じるもの。その有り様はアマテが覚えるコロニーで生きる閉塞感を代弁しているかのよう
だからこそ、彼女は閉塞感をぶち壊してくれるかもしれないザクに興味を持ち、実際に日常をぶっ壊すガンダムを使った戦いへと身を投じてしまったのかもしれない
偽物の重力に逆らって大地へと足を向けていた彼女の内面には溢れんばかりの闘争心が詰まっていた
けれど、ガンダムに乗り込む豪胆さを持っていたとしても、アマテが普通の女学生である事も家に帰れば塾だの何だの言われる環境に居る事に変わりはない。彼女の閉塞感を壊すにはもう一手必要。それがアマテと同じようにキラキラを見て、別のガンダムタイプを操るシュウジとなるのか
彼の言葉は要領を得ないし、正体も判らない。けれど「ガンダムが戦えと言っている」との言葉はアマテにも響くもの。戦わなければという想いは彼女の中から出てくるものであり、同時に彼女に応えたジークアクスも持ち合わせているもの
彼女はアムロとは違った意味で戦いの申し子と言えるのかもしれない
他のキャラについて語ると、シュウジは謎めいた感じはありつつもアマテの相棒としてこれからの活躍に期待できそうな印象。そもそもあの機体を所有しているという点も気に掛かるし
ニャアンは逆にこの先行上映ではキャラが掴みきれなかったかな。言葉の各所からはアマテよりも深い鬱屈を感じたのだけど、同時にポンコツさも見えてきて彼女がこの物語においてどのような役割を担うのか判らなかったかな…
また、本作は音楽の使い方も良かったね
前半部であれらの音楽がふんだんに使われる展開は思わず心躍らずに居られなかったし、後半部ではここぞという場面で流れてくる挿入歌の数々には興奮させられた
米津玄師さんが主題歌を歌うというのは効いていたけど、他に星街すいせいさんが参加しているのは良い意味で驚きだったかも
まだ先行上映みたいな段階だからここから物語がどう展開するかは不明瞭なまま。けれどマブ戦術を用いるクランバトルを通して、アマテの闘争心がどう育まれていくのか?そして活躍の機会が描かれなかった、又は奪われたあの人物達は何をしているのか?
本放送への期待感を醸成するには充分な作品と思えましたよ