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とても良い

原作既読
これまでのアニメ・ウマ娘で描かれてきた物語が、集客力の高いレース場で頂点へと挑む強者達が描かれるレースだった事を思えば、閑散とし中央をレベルが違うと宣うカサマツは別世界感がある
いわば、それは夢を見るなぞ馬鹿げていると囁かれているかのような環境で
だからこそ皆して同質的な低飛行が暗黙のうちに望まれるからこそ、カサマツのウマ娘達から浮きまくっているオグリキャップが抜け出てくる構図と言えるわけか

北原が望む「自分と重ね合わせられるスター」というのは厄介な基準だね
スターというのが本来は他よりも抜け出た存在の筈なのに、抜け出せない自分と重ね合わせたいと思っている。だからか北原は中央のレースを観て興奮しても、彼女らを中央だけでなくカサマツを含めたスターとは思えない
北原が欲するのは自分と同じようにカサマツで燻る逸材。そう思えばこそ、オグリキャップという存在に彼が応援したくなるスター性を見出してしまうのは必然だったのかもしれない

北原はオグリをそのように見るけれど、カサマツのウマ娘達から見ればオグリは浮き過ぎているね
皆が制服の中で一人だけジャージ、食べ放題だからと食堂を潰し、物置に追い遣られても気にしない。それは暗黙的に明示的にも同質化を全く受け入れていない姿勢
これだけであれば、オグリを「空気の読めない変わり者」と受け取るしかないけれど、彼女の原点にこそむしろ同質化出来なかった事情が見える構成は良いね

回想やEDで示されるように幼い頃のオグリは満足に立って歩く行為すら難しかった。走る事を宿命とするウマ娘においてそれは異質な原点
そんな彼女を育てた母の教えは「沢山食べる事は悪い事じゃない」、つまりは皆に合わせて我慢しなくても良いとの教え。また目一杯走れとも促してくれている
だからオグリはトレセンやレースの常識を知らないままに走る本能だけを研ぎ澄ませてられたのだろうね。出遅れた筈なのにぶっちぎるレース模様は圧巻
カサマツという地方ですら誰も名前を知らなかったオグリキャップがどうやって天下を勝ち取るのか、その伝説を見守りたいものですよ



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