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良い

鬼と目される辻斬り退治を行う事になった今回。けれどその協力者こそ鬼であり、また追い詰める甚夜とて鬼である構造は少し面白いね
被害者は人間だけれど2人は人間を守る為に辻斬り退治をするわけではない。それぞれの目的・背景・歴史の為に討とうとしているから、そこでは人であるか鬼であるかは本質的な問題とならない
ただ人を害する辻斬りを許せないという想いがあるだけ

茂助という人物は面白いね
異能を持ちながら戦闘能力に秀でている訳ではないし、時の過ごし方とて平凡なもの。人と変わりなく妻を愛そうとして、何事もなく日々を生きようとしている。その生き方を鬼と呼ぶ者は誰もいないだろうね
それは彼が鬼だから人だからという括りは無く、彼の持つ歴史が茂助という存在を表している
それは甚夜にも言える話かな。妹を止める為に鬼を討つ彼は復讐者だが、妹を誅すべき悪と割り切れなず憎悪の背景を「意味もなく」と言ってしまう彼はまだ兄としての在り方を消しきれていないように思える

人か鬼か、兄か復讐者かの境界が曖昧になる状況は他のものも曖昧とさせたような
特に前回の描写から察せられる事では有ったけど、改めて甚夜の口から実父に対する印象が明かされたのは印象的。父を許せず家を飛び出た甚夜、今では父の気持ちを判りつつ完全に許せたとは言い難いようで
明確な区分が難しくどっちつかずな在り方。それだけにユキヤナギという曖昧な在り方でありながら、おふうに言わせれば「自分を嫌いではない」、つまりは曖昧な己を肯定している花はこのEPを象徴するものであり、どちらかに決められない者達を癒やす存在と思えたよ



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