永い時を生きる甚夜の在り方を体現するかのような、または祝しているかのような最終回
未来からやって来た薫は時の迷い人と言える。ただし、それは帰り方が判らないという意味ではなく、帰れるけど帰って良いかが判らない
これは甚夜にも言える事かな。彼は時の彼方に故郷を置いてきてしまったけど、葛野に帰る事が未来永劫に赦されないとまでは言えない
元居た時に帰れない二人が迷い着いた場所で想うもの。それは迷い人同士である為に安らぎを得られたように感じられたよ
薫の帰り方は案外容易に見つかったね。まあ、発言的には国枝の主人も未来からやって来た人間っぽいけど、彼は帰り方を知っているのに帰らなかった人間か
そこにある心の全てを知る事は出来ない。同様に元居た時にすぐ戻れない薫の心も全てが明かされるわけではない
ただ、心の断片を話せる相手は居た。それが甚夜であり、甚夜は迷っていた幼少期に受け止めてくれた人が居たからそれ以上迷わずに済んだ経験がある
迷っていても受け止め、帰れる場所となってくれる人が居れば迷いから抜け出せる
薫も心を受け止めてくれる甚夜が迷った先にも迷いから帰った先にも居ると知れたから、迷いを終えられたのかな
同様に迷い続けた甚夜も、待っていてくれたちとせと再会できた事は彼の心を癒やすものとなったのではなかろうかと思えるね
これから先も甚夜は時を迷い続ける。明治編では傍に居る野茉莉が現代では傍に居ないように、そこには多くの別れがあるのだろうね。けれど、現代で薫と再会できたように、多くの出会いもあるのだろうね
辿り着いた時の行く先にて幸せを断言できた彼の迷い時に思いを馳せてしまうような最終回でしたよ