ドレゲネの話はシタラと似通った部分がありつつ、同時にシタラがこれから歩むかもしれない可能性すら提示するものとなったね
ドレゲネはメルキトの者では無かったし、すぐに好意を抱いたわけでは無かった。それでもクランを始めとしたメルキト族との関わりで彼らが居る場所を新たな故郷とした
こうした流れはかつてのシタラととてもよく似ている。ならば、そんなドレゲネがモンゴルに来てから辿った道もシタラに似通るものとなるかもしれないわけだ
ドレゲネとシタラは何もかもが同じなわけではないね。シタラはファーティマやムハンマドとの関わりによって家庭的な愛に照らされた。対してドレゲネは部族的な連なりという波に揺られた。喜びも悲しみも得た。ドレゲネはメルキトの全てを受け取った
だから彼女は高価な宝石としてモンゴルに下るクランの想いも、モンゴルを許せない男達の無念も理解できる
そんな彼女が理解できなかったのはメルキトからモンゴルへと変わってしまったクランの笑み。クランが赦したように見えるなら、ドレゲネの復讐心は行き場を失う。鬱屈だけが溜まる
クランの笑みは前回シタラが見た奴隷達の笑みに似ている。そんなものを見せられたら、ドレゲネのようにモンゴルの女としてモンゴルの子を産み育てる道しか残されなくなる
けどドレゲネの復讐心はシタラの笑みを見て再び動き始めた。ならば、ドレゲネと同じようにモンゴルで漫然と生きようとしていたシタラも同じく動かなければならない
力で復讐したならばダイルのように死ぬ道しかない。智慧での復讐を、それも二人で行えば別の道もあるかもしれない。二人は果たして嵐を巻き起こせるのか、それはモンゴルを内側からどう蝕むものとなるのか?史実を知らないからこそ、先の展開にワクワクさせられてしまいますよ!