他のメンバーが大学生にありがちな料理や見た目が派手なだけの料理を持ってくる中,しおりが持ってくるかぶらのそぼろあんかけだったりかぼちゃのおはぎだったり美味しいけど地味みたいな構図があった.
同様の構図としてフレンチ(派手)を作る熊野さんが川魚の塩焼き(シンプル・地味)を食べて美味しいといっていたシーンがあって今回のテーマはここが中心になるのかなとも思う.
8話にして観光協会と商店街の対立の話の深いところまで触れられた.4~7話で町のことを少しずつ知っていった由乃達だったが町おこしに対して「頼んでもないのに勝手なことをするな」という意見に対してはこれまでほとんど触れていなかったため物語が大きく進んだなと感じる.お話が進んできてて面白かった.
ここで新しい饅頭の原材料が間野山産かどうかについて触れててただ美味しいものじゃなくてきちんと間野山の活性化につながってるのかという話が出てきて確かになるほどなとなった.もしかしたら「フレンチ」は美味しいけど間野山に関係ない(間野山から外国へ修行へ行った)象徴だったりするのかなぁとか.
責任を取る立場になりたくないと言っていたしおりだが最後のシーンでは「みんなが幸せになるアイディアを出す」と宣言していて楽しみなところではある.
物語とは関係ないが田んぼ作業の格好でしおりはともかく他3人がへんてこな格好に比べ由乃はある程度まっとうな格好をしててこういうところで「普通」だなぁと感じた.細かくてすき.
とにかく最後の前髪を上げた由乃がかわいかった.あと窓を伝う雨で由乃の涙を擬似的に表現してるのとかすき.
6話でセミを食べろと言われたときに「貴重な経験」と返した萌ちゃんのように,燃えてる家に突っ込む仕事を「こんな経験そうそうできないしね」と真希さんが返したことで女優としての覚悟が決まったのかなぁと思った.演技をすきでやっていた頃の自分を四季を通して街全体で思い出すことで昔の自分に勇気をもらったって形容するのが結構すき.
最後の方までしおりちゃんの件の解決しないしどうなるんだろうと思ったら由乃の計らいが.未来に目を向けるがだからと言って過去(思い出)をないがしろにするのではなく,処分する家のおばあちゃんの名前をエンドロールに載せることで過去も大事にするという姿勢がいいなぁと.
こう考えてみるとしおりちゃんの件も真希さんの件も過去を大事にするということが共通してて,もっと言うなら4,5話の伝統を重んじつつも新しいものを作る彫刻の件とも構図が同じなようにも思える.今回の件も噂に尾ひれが付いたものの宣伝は成功していてこれも町おこしの一歩になったことを考えると,町おこしに必要なのはただ「新しいことをやる」だけではなく「元々の伝統,町の雰囲気を大切にしつつ新しいことをやる」ことが大切なのかなって.
6話目にして由乃の口から真野山にいいところがあるって明言されたのが今までの物語の経過を感じられる.
今までそんな経験はないからきつくても熱中出来ること自体に羨ましいなと感じる由乃と好きだからこそつらいこともあると経験した上で,夢をほぼ諦めかけてブラックバイト・時間の無駄と言い放つ真希さんでは明らかに価値観の差があってそれ故に仕事をもらってきたけど「余計なことはしないで」と怒られてしまったのかなとか.
萌さんと真希さんの弟が登場したわけだけどこれから先のやることは決まってる人たちと未だに放浪気味の真希さんって対比の認識でいいのだろうか.ここらへんちょっと考える必要がありそう.
あとは今まで不穏な空気を一切見せなかったしおりちゃんが今回のお話で何を抱えているのは気になるところ.
全然本筋に関係ない細かいところだけど由乃は虫はだめでもカエルは大丈夫なんだなって.逆に早苗さんはそこも無理なのでやっぱり生粋の都会育ちって感じがする.
真野山彫刻がわからないから自習して知識を深めようって流れがまっとうながらいいなぁと思った.こんな感じで1つずつ知識を深めることで最終的に町の魅力を知っていくんだなって感じがする.
結果的に欄間を使ってサグラダファミリアのように駅を長い年月をかけて改装(?)するって案になって「昔からの伝統を守っていく」のと「新しいものを作る」の2つをすごくいい塩梅で合体出来たなぁって思うし,ワカモノ,バカモノ,ヨソモノである由乃の案がしっかりベースとなっているのが町起こしの一歩になってるなって特に感じた.でも由乃だけじゃこれは実現出来なくて他のメンバーがいたからこそ,少しずつ現実的な案になって至れたわけで改めて2話タイトルにもある「五人の勇者」を感じされられるお話だったなぁと.ついでにサグラダファミリアでさり気なくタイトルにもある「サクラ」要素を使ってて物語をしっかり進めつつ題材が上手いなぁって.
あとは個人的に「代わりの人間がいてもそこで起こした結果はその人だからこそ起こせたわけで」みたいなお話は結構すき.