「その花火は、宇宙を切り取ったんだ―」
緑豊かな森の中にある花火工場・帯刀煙火店は、
町の再開発により立ち退きを迫られている。
帯刀敬太郎は、4年間そこに立てこもり、
蒸発した父に代わって
幻の花火と呼ばれる<シュハリ>を完成させるため
花火作りに没頭していた。
一方、東京で暮らす幼馴染のカオル。
過去に起きたある事件をきっかけに地元を離れていたが、
立ち退きがいよいよ明日に迫る中、帯刀家を訪れる。
2人は再び出会い、
失われた花火の秘密に迫るため
驚きの計画を企てる。
その鍵を握るのは
美しい青色の顔料「花緑青」だったー。
花緑青とは
かつては花火の材料に使われていた、
燃やすと青くなる緑色の顔料。
毒性を含むため、現在ではほとんど使用されなくなった。