今回のあららぎの説教は染みるな。あと貝木の悟り具合になぜか惹かれる。こういう一貫した故悪党は嫌いじゃないな。
頭の弱い兄妹のケンカ。互いに自分の言いたいことを怒鳴り合ってるだけで、全然会話が噛み合ってなくて見てて疲れた。
普通の人の貝木。とことん詐欺師でのらりくらりと言葉を操っている。捉えどころがないからこそ最も真実に近いような気がする。これが詐欺師の手口。
「問題を解決する意志が無い者」と
「解決する能力を持たない者」しか登場しないエピソードで
展開される、役立たず同士の闘争など不毛、という印象だった。
キャラクター人気で乗り切るには限界が来ており
知名度に釣り合うくらいのシナリオを
用意する必要があったと思う。
化物語に比べると、パットしないかな、と
偽物がそれでも本物に匹敵するには己の弱さを受け止めて確固とした意志を持つしかない。これは『化物語』におけるメッセージの敷衍だろう。貝木は「詐欺師」と自己を規定するほどに偽物であることを本気で背負い込んでおり、手を引くが別に敗北などしない。しかし貝木が「劇的」であること、消費的かあるいは刹那的な生を求めるのに対して戦場ヶ原は自分のこれまでの人生を丁寧に見つめる。あるいはその「つまらなさ」も偽物の受け止めるべきものなのだろうか。