渋いよなあ。渋過ぎる。そこが好き。平和とは基本状態ではなく、戦争の合間の凪なんだよなあ…。と主張したかった。
一つの事件で生じた恐れと猜疑心は過剰な防衛行動を生み、それが更なる恐れと猜疑心を生む。そうやって気付いた時には事態は取り返しのつかないところまで来てしまっている。
本作品はそのような負が負を生んでゆく連鎖をアニメとは思えないほど見事な演出で描き出している。
特に、静と動のシーン対比が印象的で、動の展開なら演出や音楽でゾクゾクするような緊張感と共に事態の進行が描き出され、静なら静寂の演出やシーンの中で思考や感情の海に沈んで事態の全貌に迫ってゆく。
そうやって、静と動の展開を繰り返してゆく中で、平和ボケした社会は徐々に緊迫感が高まっていき、それと同時に事態の全貌が見えてゆき、クライマックスに突入してゆく展開は実に見事だった。
一方で、セリフ等がやや難解なこともあり、一度の視聴では内容をきちんと理解するのが難しかった点は少し残念。竹中直人さんの声は雰囲気があって作品によく合っていたと思うが、やや聞き取りづらくもありお経のように眠気を呼び出す効果もあった。
また、一番残念なのは、本作品はSFミステリーとしては素晴らしい作品なのだが、それがパトレイバーである必然性があまり感じられないところだ。旧特車二課第二小隊だけでなく、レイバーそのものがそれがなくても物語に支障がないように思えてしまうのはパトレイバー好きとしては少し悲しいところだ。
警察vs自衛隊という展開は非常に魅惑的なものがある、ロマンとでも言うべきか
「もう一度この国は戦後からやり直すことになる」という内戦の様相漂う日本への米軍の介入が迫った場面での台詞も然り
巧妙に踊らされた結果として対立構造に置かれた警察と自衛隊の姿や、現状を把握できていない上層の現場との剥離、そして柘植の言う蜃気楼の如し幻の街だったりと、本質的な部分を省いて回る社会の中で何の為に自分は生きるのか...みたいなものを言いたかったのかなぁ
戦争が何かの手段のためではなく、それ自体が目的というところが特にそう思わせる
MiG亡命事件とかPKOの問題を実際のものとして体感してない、あるいはその時の社会の空気感を知らないお子様には分かり得ないものがあったような気もする
まさにそういう自分こそが、虚構の平和の中でそれを実際のものと信じて生きる人々の一人のようにも思える
4DXにて。面白いけど、パトレイバーらしさという意味では微妙なので
外伝的かなぁ。という印象。
面白いけどパトレイバーじゃなくてもいいよね
Amazon Primeにて。
ストーリー、映像、どれも良い映画だけれど、これをパトレイバーというフォーマットで、特車二課という舞台立てでやる必然があったかは疑問かも。ヘッドギアのパトレイバーが好きな人には、ちょっと納得いかなかったのではないかな。
シン・ゴジラからの深掘りで観た人もきっといるに違いない。
1も2も。
好きだなぁ。
王道な集結する展開は、いつ観ても心躍る。