面白い。アトムが生まれるまでの試作機の話。心優しきロボット、A106。自我に目覚めた彼は正義感いっぱいで見ていて心温まる。天馬の厳しさが度を超えてて、そこが残念。
作画もストーリーも大好き……。最後の方はA106に気持ち引っ張られてちょっとウルッときてしまった……
ラスト付近でのA106視点でみえる世界の冷たさと温かさの描写が、全体の中ではとても静かなのですが圧倒的に沁みる。謎の無常観。
観察者としてのA106、という構図で「ああ、アトムって火の鳥だったんだ……」という悟りを得た
……何よりもこの3人のマブダチ感が最高だぜ。
尺(全12話)と原作使用量がアンバランス。
原作の持っているテンポは、アニメオリジナル要素を多量にトッピングすることによって極々スローテンポになってしまい、『間』と呼ぶには拙い、情報量のない無意味な時間が多々存在していた。
12話有れば、地下までは行くと思っていたが、その遥か手前までしか到達せず。
更に、マルスもロロも、何もかも説明しないままアニメは終わってしまった。
2クールだと云われれば未だ納得もしようが、1クール尺であのペースは作品の表層をなぞることしか出来なかった。
その先にこそ今作独自の面白さがあるのに、手を伸ばさない構成・脚本には甚だ疑問である。
原作漫画に遠く及ばない、残念なアニメ化でした。