サービス開始日: 2017-05-26 (2740日目)
最初の頃は玩具宣伝アニメかと思っていたのに、随分と遠くに来たものだ。ただあおちゃんとFAGたちがかわいいだけのアニメじゃなかった。言葉にできないけど、なんかすごい。
魔改造で闇落ちしたフレズヴェルクの本当の想いを知っていたあおの言葉で、絶体絶命のピンチにある轟雷のために命がけの賭けに出るFAGたち。ギリギリのところで救援に間に合い、合体して決めるのとか熱い。
Bパートでは、轟雷たちが喜べるプレゼントを用意するなどでもはや母親目線。そして突然の、轟雷にとってのあおのような、お互いを想い合える関係を築きたいとの告白。それを楽しい別れにするために、と始まったVR空間でのまさかのライブ。モデルのシェーディングもトゥーン調のそれからAOを効かせた感じに。最後の締めの、気持ちは学ぶものではなく経験するものだ、というのもいい言葉。
松原さんとセレジアの会話から漂う信頼感。特に何という話をしているわけでもないのに、とても心地の良い空間に思える。安心感だろうか。一見突飛な新設定でも強い共感を起こすほどに、考え込まれたベースとなる設定が組まれており、それが明瞭だからこそ、自然な追加設定ができる。要は、松原氏はそれほど真剣にセレジアの世界と向き合い創っていることを確信できた。自分たちのためではなく、被造物のための娯楽を組み入れる、という発想もセレジアたちを大切に考えていることの現れか。
一方で颯太は鹿屋に連れられギガスマキナに搭乗。どうしようもないことに悩んだり公開したりしている颯太に腹立った様子。元の世界で自分がそうだったからこそ、考える余裕のできた鹿屋は颯太に語りかける。世界を救うためにやらされていた諸々も、自分にしかできないことならまあいいか、と思ったように。済んだことを嘆くよりも、自分にしかできないことを作れ、と。物語の登場人物は能力があってもそれを活かす世界は作れない。だが、神様であるところの颯太なら、自分の能力を活かす世界から創造し、自分が進む道を自分で決められるのだから。
まとめるなら、過去を後悔して立ち止まっている暇があれば、自分が進む世界と道を創造して進め、といったところか。
目を覚ましたメテオラを踏まえ、颯太からいよいよアルタイルの創造主との関係が語られ始める。今回までのその内容自体は意外性はそれほどなかった。ただ、メテオラの言葉もあって、自分を守るような当たり障りのない表現に逃げることはなく、足を引っ張られる島崎さんを見て、暗い満足感を抱いたということまで話して、次回へ。
島崎さんが引っ張り上げられたところで、冒険だと口にしたことを適当に解釈すると、この頃から彼女は彼女の世界を創造し、物語のような冒険の道を進んでいたのだろうか。物語でいう使命のようなものを抱いていたから、生き生きとしていたり、どんどんと作品を創り上げていったりしたとか。
ラーンさん確かクトリより年下のくせにエッチ過ぎませんかね……
クトリは好きな人を馬鹿にされて怒ったか、花嫁修業の成果を遺憾なく発揮する。只のつまらない愛人じゃないと分かってからは、船員たちともいい関係を気づいた様子。
と思えば、リーリァがエルクのところにたどり着いたときの記憶が思い出される。神様だからか、エルクが声を発するだけですごいことに。だが、それでも、リーリァもまた、好きな人のためにここまで来たのだから倒れるわけにはいかないわな。強さの裏に隠してきた想いを込めた一言は強い。
戻って、クトリさんいろいろと建前を並べるも、レンにずばっと言われてしまうのかわいすぎか。ラーンの疑念も解消させてしまう、愛の力。
そしてついに明かされる獣の正体。その衝撃たるや、普段は強がるヴィレムもたまらずクトリにすがってしまう。人間が生み出した生物兵器によって、人間から変質されられた獣と戦うために、半分は人間の勝手な都合で発生されられたわけだし、もしかすればアルマリアだって獣になってしまったのかもしれないし。
しかしその様子にクトリ、慌てず優しく受け止めるのは本当いい女。そしてついにヴィレムのプロポーズ来ました。守りたいと思えるもの、帰りたいと思える場所をやっと見つけられたと実感できた。
しかし、ヴィレムもクトリも、そのセリフはあかん。お前を幸せにしてやるって、ずっと一緒にいるよって、1話冒頭のモノローグじゃないですか。Cパートに出てきたパックンチョもラーンが切ってたあれでしょ。
メテオラの前に現れたアリステリアは、当然お茶のお誘いなどせずに攻撃を開始。本気を出したアリステリアの攻撃もできず何とか防ぐメテオラ。
颯太は、何もできないと言いながらも今度は逃げたり見捨てたりすることなく、再び戦場に戻ってアリステリアに語りかける。彼女の世界は決して只の娯楽ではなく、辛く苦しく、それでもアリステリアの騎士たる姿に心惹かれるのだと。ついに颯太くんの見せ場が!
それでも、もはや後に引けないアリステリアは槍を振るう。が、そこにセレジアが乱入し、衝突。しかし、アルタイルの仕業によってセレジアは武器を失い、槍をその身に受けてしまう。ブリッツの銃弾に万事休すと思ったが、弥勒寺が間に割って入る。弥勒寺さん、「よぉ、オレだよ」とかカッコよすぎ。
ひどい傷を負いながらも、颯太や松原に逃げろというセレジア。しかし、松原は叫ぶ。これは松原さんクリエイターとしての信念を感じる。セレジアさん嬉しいだろうな。自分の生きる世界を信じられる。
そして、松原は共感の連鎖を引き起こす。これは熱い。アルタイルの悲しみが生まれた一因もネットだろうが、こういう一面もあるわけだ。
共感によって力を与えられたセレジアは、松原と視線を交わす。その力強い眼差しに、松原も思わず涙ぐむ。
セレジアによって戦況は一気に巻き返したが、アルタイルの姿にノイズが走り、余興はここまで、とのこと。辛くも難を乗り切ったかに見えたが、セレジアは元の傷を負ったままの姿に戻り、気を失った。
アルタイルの目的は大崩壊なのかな、とふと。ノイズが走ったときに、弾かれるのは自分の方だと言ったが、逆に言えば上手く行けば自分は世界に残るようにも聞こえる。さてさて
アイセアの過去語りから。前世の侵食のことが日記に書かれていたのだろうかと思うと、今のアイセアが受けた衝撃や罪滅ぼしというのがどのような考えのもとだったか考えていくと切ない。
一方でクトリは、日記を残して終わった後のことを気にするのではなく、さりとて欠けていく過去に囚われるでもなく、今の自分が感じている喜びをただ大切にしたいということに気づく。それだけでなく、どうしようもない悲しみですら、それを感じる自分が今ここにいることを噛みしめる。ただ、今だけを感じていく。実際、そうしているクトリはとても幸せそうに見えるのだ。
それでも、コロンのこと、第3話での約束のときに聞いたタリスマンの話、愛人の件など、少しずつ記憶が欠けていく様子が垣間見えてしまうのはどうしようもない。
いよいよ、出立のとき。先輩からもらったペンダントは机の上に遺したまま。想い出も多く欠けているのだろう。それらの悲しみや苦しみも、まだクトリであるという証左。
終末とか運命とかに翻弄され、過去も未来もどうしようもないものでも、今だけは特別なのだろうか。
珍しく表情を見せるレンの顔よ。
予告でリーリァが……