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全体
良くない
ストーリー
良くない

タイトルやプロモーションで「黒の組織との全面対決」を大々的に打ち出しつつも、ミステリー映画およびサスペンス作品としての完成度には大きな課題が残る一作です。
​本作の物語は、広域連続殺人事件の捜査に黒の組織の影が潜んでいるという魅力的な前提からスタートします。しかし、作品の本質を分解すると、中心となる「連続殺人事件の謎解き」と「黒の組織の動向」がまったく噛み合っておらず、シナリオの構成力に難があると言わざるを得ません。
​さらに決定的なのは、黒の組織という存在の扱い方です。本来であれば物語の根幹に関わる重要なお話であるはずにもかかわらず、組織の目的は被害者が持っていたNOCリスト入りの「カード拾い」に終始しています。本編のメインである殺人事件自体は野良の復讐劇であり、黒の組織が関わっていなくても成立する内容にとどまってしまっています。
​映画としてのピークは、終盤の東京タワー内において蘭が至近距離でピストルを避けるシーンに尽きます。彼女の超人的な身体能力とアクション演出が凝縮されたこの場面こそが本作最大のハイライトであり、極論を言えば「このシーンを切り抜きで見るだけで十分」と感じてしまうほど、他のパートの密度が追いついていません。
​大物キャラクターや組織の影をチラつかせながらも、ミステリーの深みと脚本の整合性を欠いた、非常に惜しい作品です。



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