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全体
良い
映像
良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良い
音楽
普通

​昼はしがない接客業の「山田さん」、夜は煙草をくわえた奇抜な装いの「田山」。表と裏の顔を巧みに使い分けながら進む日常のストーリーラインは、最後までぶれることなくその軸を貫き通しました。一見するとシンプルな構図でありながら、この設定を崩さずに描き切った構成力の高さには惜しみない称賛を送るべきでしょう。
​本作の面白さは、単に喫煙所で無駄話を交わすだけの日常系作品にとどまらない点にあります。背伸びした奇抜な格好の裏に、等身大の優しさと少しの不器用さを覗かせる田山というキャラクター。彼女が醸し出す絶妙なエモさと尊さは、観る者の心をじわじわと掴んで離しません。派手な事件が起きずとも、漂う空気感そのものに強い魅力と抜群の安定感があり、いつでも安心して浸れる心地よさがあります。
そして、物語を締めくくる最終回での佐々木の言葉が、本作のすべてを物語っていました。
「知人というほど遠い距離ではない気がするし、友人と名乗るには知らないことがたくさんある。はたから見ると吹けば消えてしまうような関係かもしれません。でもあの子は俺の背中が情けなく縮こまっているとき、必ず「なんてことないよ」と背中を押してくれる子です。」
​恋人でも友人でもなく、明確な名前すらつけられないふたりのあいまいな立ち位置。けれど、お互いの存在が確かに救いになっている——そんな曖昧で愛おしい距離感を画面越しに見守り、尊さを噛み締めることこそが、本作の一番の醍醐味です。



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