1話あたり18分30秒という珍しいアニメ
11話まで視聴
前半クールは1話完結のエピソードで構成されていて、主人公と各ヒロインが関わり、少しだけヒロインの主人公への想いが強くなるというのをコメディを絡めてやっている。今の時点では主人公は各ヒロインに対して恋愛感情を抱いていないが、義妹の音夢に対しては「音夢は妹だから」と自分に言い聞かせる描写が頻繁に差し込まれ、少し意識してるようにも見える。
淡い色彩設計と、カチッとしてない柔らかいキャラデザから繰り出されるコメディが持ち味。緩く、シームレスに行われるギャグはデ・ジ・キャラット感があり、ギャグアニメに代表される「ここが笑いどころだよ」みたいな間がないぶん素直に笑える。やっぱこのアニメの特色はそこはかとない緩さだと思う。類似のエロゲアニメを見たことがない。同じコメディ偏重のエロゲアニメだと「Φなる・あぷろーち」や「つよきす」が思い浮かぶが、あっちはドタバタギャグで激しさが目立つ分、ダ・カーポの異様な緩さが際立つ。同監督作品の「最終試験くじら」くらいか。似てるのは。
話に関して言えば、1話完結のストーリーの中で無理矢理大きな進展を描いていないのがいい。例えば、歌が上手く、人の心の声が聞こえるヒロインのことりは、主人公を文化祭の声楽部の出し物に誘う。しかし、主人公は義妹と文化祭を回ることも約束してしまい、後からダブルブッキングしてしまったことに気づく。悩んでいる主人公を見かけたことりは心の声を聞き、出し物は中止になったと嘘をつくことで、負い目を感じさせずに義妹の方に行きやすいようにする。ここで、普通なら何かしらことりも報われる形で話が終わりそうだが、このアニメでは、ことりが一人教室で主人公が来てくれなかった悲しみを歌に乗せて紛らわせているところを、主人公が廊下で見かける(ことりは主人公に気付いていない)ところで終わる。ことりは人の心の声が聞こえない方が幸せを得られるのではと結論づける。コメディシーンが多く挟まれる本作だが、こういう問題を簡単に片付けず、ハッピーエンドで終わらせないところがいい。
最後、二股をかけられていたと勘違いしていた相手が妹だと発覚するシーンがギャグ的に処理されているけど、勘違いによる恥ずかしさから頬を赤らめた後、「でも、もう終わった関係だよね」と寂しさを交えた表情に変わっているのが良い。
そもそも、拓郎が一回でもでじ子に連絡さえ入れていれば誤解は解けていた可能性は高い。自分の夢を叶えるべく仕事に熱中し、でじ子を蔑ろにしていた拓郎。メールでのやり取りすら放棄していたと読み取れるし、だけどそれは決してでじ子への気持ちが薄れていたのではなく、仕事で手一杯だった結果であろう。ただ、仕事で手一杯だとしても連絡一つ寄越せないようじゃ、それまでの関係だったということだ。やはり、恋人関係(あるいは人間関係まで広げても良いかもしれないが)を維持する上で相手に対して関心や愛情を継続的に送り続けることは大事なんやなって。
あと、これはタイミングの問題でもあって、拓郎が仕事(脚本の執筆)で行き詰まっていなかったらでじ子へメールを送る余裕はあっただろうし、でじ子の引越しがもう少し遅ければ誤解を解ける機会がありでじ子の心が離れるのを食い止めることができたかもしれない。そうなれば、引越しをやめるのは無理でも遠距離恋愛という未来があったかもしれない。
総じて切ない物語であった。全2話という構成も良くて、物語にいい塩梅の余白が生まれていた。
あと、ぷち子がすごい良いキャラしてた。姉が好きゆえに冷やかしたり、でもでじ子が落ち込んでいればぷち子なりに励ましたり、本当に姉の事が好きなんだろうなとなる。抜けてるところがある姉に対して少し呆れて世話焼きしたり要領よく何事もこなしているかと思えば、初バイトのマクドナルドの接客ではテンパってる面を見せたりでかわいかった。