基本的にはかなり好きなのだけど、こうやって評価しようとすると全部が微妙にとても良いに届かないみたいな作品…Garden of Remembranceみたいに、そもそも盛り上げて楽しませようみたいなものではないと思う。
映像は美しいは美しいのだが、テーマや物語と噛み合った素晴らしい美しさではない。トツ子の共感覚(的な視覚)を何度も映像的に重ねてくるのだが、それが作品にそこまでハマっている感じがない。誰も悪い人がいない世界で、少し窮屈に生きる10代たちが描かれており、突出したカタルシスはないものの、彼らの迷い、手探りの交流、互いの開示、友誼、別れが繊細に描かれている。彼らを結びつけるのが音楽・バンドなわけだが…彼ら自身も音楽にそこまで強い思いがあるわけでもなく、あくまで彼らを描く媒体として機能している形。しかしながら文化祭で彼らが演奏するオリジナル曲は80年代のニューウェーブのようで、バンド編成もエレキギター、キーボード、テルミン+シンセというなかなか見たことがないクセ強なもの…なんだろう、個別の要素は非常に良く出来ているのだが、すべてが微妙に統合されていないような、あえてそれを狙ったのが作風であるような…ふらっと入った映画館で見た単館上映の不思議な邦画みたいなアニメだった。
しかしED曲はなぜかミスチル。不思議すぎる。