ある時新葛飾に落ちた隕石によって身体が欠損し、その隕石から放出される物質によって欠損が補完された結果特殊能力を持ったが、隕石の影響範囲内の新葛飾から出られなくなった少年少女たちの物語。彼ら6人×5チームの30人がチーム戦で浅いゲームを繰り返す中で人間ドラマ的なものが描かれる…というと別に悪くもなさそうに聞こえるが、これがもう本当に酷い。
まず、登場人物が多すぎる。1クールでドラマを描くならせいぜい5人程度までだろうし、実際まともに人として描かれているのはその程度。残りの25人は、浅いゲームの中で浅い能力を披露しては消えていき、名前はおろか姿も能力も記憶に残らない。ゲーム自体も毎回部外者が適当に考えたようなもので、毎度ルールが変わるし、毎度参加者が適当に能力をぶっぱなしてなんとなく決着がつくため何一つ面白くない。作品の半分くらいをこの意味不明のくだらないゲーム描写が占めるため、視聴が苦痛でしかない。
その中で、主人公がチーム内で揉め事を起こして出ていき、また和解して戻ってくるという展開が物語の主軸になっていくのだが、キャラが多すぎゲーム描写多すぎで尺が足りない中なのでそもそも掘り下げがなさすぎて展開がすべて唐突。しかも、長年一緒にやっていた仲間だろ!みたいな雰囲気で話を進めておきながら、揉め事が起こると全員急に話も聞かずにキレちらかして、主人公側も対話もしないクソムーブでチームを飛び出すことで展開を作っており、本当に見ていて辟易する。主人公が対立チームに加入して元チームとゲームするという展開もあるのだが、これも人間関係の変化とゲーム内容がちぐはぐで、ドラマとして成立していない。そもそも、彼らがなぜチーム戦のゲームをしていたのかよくわからず、途中から変な研究者みたいなのが来てゲームさせてくるけど、それも結局大して物語に絡まないまま。元チームに戻る時も、キレちらかしてた友達が急に「俺も困惑してて…」とかクソムーブかましてきたり、最終的な和解でも最初からその話しとけば揉め事すら起きてないだろって感じだったり、露骨な舞台装置だけでなく、舞台装置にすらなっていないキャラや要素が多すぎて、ガラクタを見せられてるようにしか思えない。
一体何をどうすればここまですべてが破綻した作品が出来上がるのか、不思議で仕方がなかったのだが…これはプロジェクトANIMAのキッズ部門作品受賞作なのだけど、原作ではなくあくまで原案であって、原作からは大幅に改変されているらしい。原作はどうも、若者たちがチームを組んでテロを繰り返すダークな作品だったようで、これをキッズ部門受賞作にしたせいで、謎のゲームを繰り返し、不自然でふわっとした人間関係(以下)を描写する意味不明な作品になってしまったようだ。原作がこうならまだ理解はできるが、原案としてここまで変更するのであれば逆にもっと出来ることはあっただろう。本当にどうしてこうなったのか。今年ワースト作品候補に文句なくノミネートされるであろう破綻した怪作。