デスガトリングvsガロウでは、ガロウを応援したくなった。ガロウがヒーローと怪人を相対化して見ているのに対し、デスガトリングは絶対視している分、善悪の判断を固定化している。さらに、S級への嫉妬心が強くて階級意識が怪人を倒す動機に結び付いていては、ヒーローとしての本質的な資質があるとは言えない。
タレオはガロウに助けられたのに、憧れのA級ヒーロー達が倒されたことがショックで逃げ出してしまった。このガキも結局はヒーローを絶対視する思考フレームを外せないっていう、人間の愚かさの描き方が絶妙だと思った。
サイタマ氏、相変わらずキングにゲームでボコられてて草。キングはキングで、世間を震撼させている怪人協会の脅威に対して他人事と考えて向き合っていない。無力だから向き合い様がないのだけど、彼は自らの心と身の処し方にまず向き合う必要がありそう。
ジェノスの悪い癖は、常に上から敵を見下して油断をするところ。そこを自覚しつつも復活する度に同じ轍を踏む感じがするのは、サイボーグへの皮肉が効いているようにも取れる。そのことがチラッとサイタマの脳裏をよぎって、やっぱり出掛けることにするというプロットの運び方は上手い。
怪人協会とガロウ、シルバーファング、ジェノス……いろいろ絡み合って展開が紡がれていく感じがいい。