捕虜を拷問するアシェラッドの冷酷さに戦慄したけども、かつて先住民のケルト人を暴力で追い出したアングロ人にそれ以上の暴力で蹂躙しても文句はあるまいと言う理屈もすごいなと。
でもまあ、これが古代から中世の歴史なんだろうなと思うけど、それは近現代の欧米の植民地主義まで残る精神性だ。力が野蛮さであるのはある意味今も変わらないけど、それは人間の持つべき知性ではなく、原始の獣性の成れの果てだ。人類の歴史はケダモノから人間へと移行するために進んいくと思わせられた。
後半の迫り来るトルケルの脅威と、アシェラッド兵団内の造反は緊迫感がすごかった。力が全ての組織だからこそ、アシェラッドの手筋が悪いと見て裏切りを画策する者も出てくる。それを読んでいるアシェラッド。単純な日和見だけでは生き抜けない局面があることをアシェラッドは知っているようだ。
アシェラッド兵団はどうなるのか。また、ドルフィンやクヌートの行く末は。
アシェラッドに叩かれてからクヌートの顔つきが変わった。ついに、王者への道を歩み始めるのか。