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とても良い

尾平という古参の一兵卒の悲哀。
これ、飛信隊内のちょっとした喧嘩なんだよな。
微妙な尾平の判断ミスが招いた諍いだけど、そのおかげで桓齮の飛信隊への仕置きが消滅した。
信の大言壮語の理由と背景によって、隊はまとまる。
今回のことで、桓齮軍の中にも掠奪に疑問を抱く者が現れるかも。
桓齮は歴史に名を残すが、どちらかと言うと悪名だし、強かったが勝ち抜いたわけでもない。そして、知将としての器はどうしても李牧の方が大きい。
それはそうと、桓齮は慶舎の死を知って村焼きを中断したってことかな。

桓齮を少しフォローすると、確かに戦国時代における天下統一は、大悪事の側面を持つ。
秦は最初の帝政の統一王朝となったが、始皇帝(嬴政)の死後に瓦解した。これはやはり、統一の過程で滅ぼされた国々の氏族が心から従っていたわけではなかったことと、統一によって巨大な版図の権力が一点に集中したので、それを束ねられる人物が良くも悪くも嬴政しか居なかったからとも言える。一人による独裁体制はその代で終わる。
そこから、中華は皇帝と臣、官僚機構、諸侯という権力基盤の枠組みを強化して行くことで安定を図る方向性を持つようになる。
秩序と混沌、どちらにも善悪両面があり、そのサイクルを繰り返すダイナミズムが文明史なのかもしれない。



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