メンバー間の衝突という人間ドラマの中にアカペラとは何なのかという音楽的に掘り下げた話も絡んできてすごく良かった。以前、絶対音感持ちはトランペットのような楽譜と違うキーの音が出る楽器が苦手という話を聞いたことがあるけどムスブは正にそんな感じなのかな。素人の自分ですらピッチが不安定なボーカルを聴くと不快に感じることがあるしムスブの感じてる気持ち悪さは想像以上なのかも知れない。一方でグルーヴという言葉が出できたようにピッチやリズムの微妙なずれが気持ちよさを産み出すこともあるわけで本当に正解がないというか音楽は奥が深いなと。声という不安定な楽器だけで構成されるアカペラはまさにナマモノで、理想と現実の間の中で折り合いをつけてその時その時の最善手を探さなきゃいけない。なんていうかもう人生そのものみたいだ…。そして、どこを目指すにせよみんなが同じ方向を向いているのが大切ということなのかな。
それにしても、ムスブの音楽に対する想いの強さを考えると妥協して皆に合わせにいくという選択肢はあり得ない気がするし、大学生とかと一緒にやるのが一番いいんだろうなとか思っちゃうけど、とするとその強い拘りを乗り越えて皆とアカペラする(音楽的な)価値を何処に見出すのだろうか。気になる。
あとウタクマコンビは良いですね。二人とも言葉数は少ないんだけど一言一言ゆっくりと噛み締めるように喋るのがなんとも心地がよくて、言葉一つ一つに彼女たちの想いが乗ってるというか誠実さが滲み出ている気がするんだよね。二人とも好き。