原作未読。一部の界隈で大きな話題となっており、一般教養として嗜んでおくべきと考え視聴した。結論から言えば、純粋に楽しめる一作だった。これまで百合作品は漫画を中心に数多く履修してきたが、アニメ化に際してはその完成度に失望することも少なくなかった。個人的に強く印象に残っているのは「やがて君になる」程度で、「わたなれ」についても、夏アニメ放送時はその存在すら認識していなかった。映画化や一挙放送という形で可視化されなければ、おそらく触れることはなかっただろう。
本作の方向性は極めて明確。いわゆるなろう系ハーレムものの構造を、女性主人公かつ百合に置き換えたエンタメ特化型。深い心理描写や繊細な感情の機微を期待すると肩透かしを食らうだろう。導入から関係性の変化に至るまで、理屈を超えた唐突な展開が続く。百合特有のジリジリとした心理戦や重たい感情の縺れをあえて排除し、ひたすらテンポと勢いで乗り切る。「やがて君になる」とは対極の立ち位置にあり、作品の評価はどれだけこのノリに身を委ねられるかに尽きる。
そして、何より「れな子」が全て悪い。 自称・陰キャの一般人でありながら、無自覚に周囲へフラグを撒き散らし、怒涛の如く回収していく姿は、もはや天然サキュバスと呼んで差し支えない。世界の中心であり、物語の重力源。抗いがたい中毒性を生んでいる。大好きです。ハマる人間には確実に刺さる。