文化庁の金が入っているだけあってか作画や演出は素晴らしい。ハッカーが両手両足でタイプするような外連味も個人的には◎。棒読みもジブリみたいなもんだと思えば個人的には気にならない。
問題は話だ。どう考えてもノリで出した巨大怪獣をさっと倒し、世界設定は碌に開示されず終い。残念の一言。
しかしそれでもヴィジュアルが素晴らしいので、どこか説得力を感じてしまう。TV版とは別の意味で味わいがある。
千年物の欺瞞作戦。見た奴は全員死んだということか。「理ではダメだ」騙すためには血肉を。
また「これがレベル制MMOの理不尽さなんだよ」も思い出す。
少しは情報が伝わりそうな気がするが、魔物はそういう風に言語を使わないから「猛獣」なのだろう。つまるところ非合理的であり反文化的であるが故に敗北したのだ。
しかしかわいい魔族を豪快に殺していくな。
リュグナーはああ言ったが思いっきり油断して後ろを向くドラート。フリーレンが放ったのは鎌鼬のようなものか? 杖は砲撃のようなものの補助なのだろうか。
「断頭台」らしく首無し兵を従えるアウラ、持物は天秤だが公平の精神があるとは思われない。「裁き」のような意味合いか。
魔術師が飛べる場合、我々の世界よりも大幅に早く防空について考えなければならない訳だが、単身で戦えるほどの魔術師は少ないとか魔力感知があるとかその辺りで均衡があるのかもしれない。
フェルン達を通り過ぎようとしたのはその方が覚悟か決まると思ったから?
捕縛時のフェルンの反応が意外に冷静。
エルフに種の保存の観念が薄いのは実は人造の種だったりするのか?
まるでフリーレンが古い価値観の差別主義者みたいな感じだがそうではなくマジで魔族が人類の敵らしい。
「利己的な遺伝子」の無い知的生命体がいたらどういう社会性を獲得するのかという話は興味深くはある。
ヌマヅって本当に沼津なんだ…から犬喋ってる!からいや普通かと思ったらやっぱりファンタジーなんだ…という感じで独特の味がある。
ダンスシーンってちゃんとしているほど「これで落ちるのおかしいやろ」と思ってしまうところがある。あとライラプスがややオタクの嫌なコメントっぽいのも少々気になる。
何にせよヨハネが非常に分かりやすくて可愛い。
ナチスなどの名称も隠さないことで歴史のIF的なリアリティが非常に強力。
「恐ろしいから」攻撃する。エッカルトの単純な理由はこうしたリアリティを以て差別が描かれることでむしろ強烈な説得力を持つ。
旧アニメのビターな風合いが結晶している名作。