どこか見覚えのあるコラージュ的キャラが超シビアなファンタジー世界をやっているのが面白さの一つだと思うが、その意味で楽しむにはアニヲタWiki(仮)などを軽く読んでおく必要があるかも知れない。
まぁその辺りを抜きにしても女の子が可愛くバトルに緊張感があるので結構楽しめる。
勇者一行と対比する形で「大きな物語」ではなく、身近な世界を守る「小さな物語」の主として主人公を描いている訳だが、結局自力で頑張って神官ちゃんに助けて貰ったりの繰り返しなので内面的にはあまり起伏がない気がする。
あと第七話の長回しが印象的だったがゴブリンスレイヤー゠サンの死を意味していたのだろうか。
前期にエミリアへ課した呪いが最高の形で回収される。
エミリアは混血差別の悍ましさを知り、最早皇族に舞い戻りたいなど抜け抜けと言う事はできないが、しかし生来の差別感情が混血である事への忌避も捨てさせない。「どうしろって言うんですか」はこの葛藤が滲み出る最高の台詞と言える。
「星の一つ動かせぬ俺ではない」魔王的一夜漬けといい理滅満点といい活き活きとしている。
リィナがなかなか攻めたビジュアル。
ファンユニオンの方向性が心配である。
蘇生術などを前提とした駆け引きがあるのが本作の面白いところ。
敵にあまり不快感がないのも良い。
エレオノールは後の話数で言われる様に根源の複製をするからアスクで自己増幅が可能という事か。
テンポ良しキャラ良し俺つえ良し。
意外なのはストーリーの作り込みで、魔王という立場や2000年というブランクをただ強さの説明で終わらせるのではなく物語の下地として活用している。『幼女戦記』ほどではないがそのタイトルでそのクォリティが来るかという妙味。
流石に最終回では応援歌も良い感じに。
姉妹融合の見せ場がもう少しあると嬉しかったかもしれない。
「全ての運命を断ち斬る」とかの神話的道具を上手く使っている印象があった。概念的権能は扱いが難しいのかこの水準でシナリオに織り込んでいるのは『まちカドまぞく』くらいか?
憎悪が全部持っていかれた所為でおじさんからこんな美人が生まれたのか?
レイそんな素振りあったか!? という感じだが根源の数の話などなかなかよく出来ている。
劇伴がなく応援歌だけのアバンはなかなかシュール。
以前のミサのレイこそが差別から放たれている…という言葉でも思ったが、教師への処遇を見ても、身分制を描いている作品はよくあるがこれほど差別への批判をきちんと描いている作品は珍しい。
死者さえも蘇生されると分かっていても(だからこそ描写を頑張るのか?)ダメージ表現がえげつない。もっとも最近の異世界系は割と生々しく描く作品が多い気もする。
無敵の魔力でなんとかしてくださいよォーーという感じだがちゃんと何とかしてくれる。他の説明が出てこないあたりマジで単純に強いから死なんという感じなのか?
やはり表情が良い。
全体的に顔がちゃんと可愛いが、ミーシャの法衣を抱えるカットの表情、「知りたい?」の声は特に良い芝居。
創造魔法、第1話のは複数人でやったからかと思ったが普通にミーシャが一人で城を立てていてとんでもない出力。
サーシャの心変わりが随分急角度だと思ったが何か裏があるのか。
ジェネギャ芸だけでなく一ヶ月の圧倒的成長などネジの外れたギャグセンスが燦然としている。
テンポも速くヒロインも可愛く期待を遥かに超えたクオリティ。
イングリスの非常に一貫したキャラクター性が良かっただけに、最後で一番強そうな男とは戦わず念願の獣は割とあっさり倒して終わったのが残念。
幼少期に生意気な商人を倒すところなど見せ方が良かった記憶があるし、典型的な終盤の長尺展開を御せなかった作品と言えるかもしれない。
異常ギャグ作品(最近だと陰の実力者とか、古くは庶民サンプルとか)の片鱗があり、リリィーの扱いの良さなど何かと熱意を感じる部分がある。
ただストーリー的な見どころはあまりない。
あとOP曲の締めが恰好良い。
未消化要素を詰め込んだ感がある。
虚構の異質な強さ、キレるマリアやアメリアとレベッカのバトルなど見どころもあったが。
思ったより大丈夫じゃなさそうなアニス。
突慳貪だが「一緒に色んなところ旅するのも良いわね」なんて言ってくれるティルティが愛おしく泣ける。
王族としての責任感と社会的なアイデンティティが結びついたアニスには王位を継ぐ選択肢しかない。しかしユフィの選択もまた自己犠牲的だ。
この回は声の演技が強力で、画の方が少々負けているかもしれない。
バイトするだけのシンプルな筋だが、ぼっちの内心の大波乱が描かれていて面白い。
室内背景までもリアル調という珍しい(多分)作品で、ミジンコ云々といったぼっちの語りの重さに相応の質感を与えている様に見える。
ヴェルフ達の成長とリューのトラウマの克服。
筋は単純だが、下層深層の絶望と希望が絶え間なく襲い掛かり、冒険譚として非常に面白い。
身を貫かれても攻撃を止めず、毒の激痛にも耐えて対処し、「死んでくれ」と言われて何の泣き言もない……冒険者の鮮烈な生き様が印象に残る。
復讐に駆られる、死に場所を探す、トラウマに向き合う、英雄を見付ける、リューの心理の変遷が丁寧に描かれる事で終盤の可愛さにも磨きが掛かっている。リューを攻略する話と思って観てもクオリティが高い。