大会の準備方法をいのりに選ばせるシーン、特に『これを機に「選択」することに慣れて欲しいんだ』という台詞は、いのりを一人の選手として尊重し、目の前の大会だけでなくずっと先のことまでコーチとして考えていることが伝わってくる、原作でとても感心した大好きなシーン。
このときいのりが司の意思を読もうとするのも、とても子供らしいと感じる。ミケがいのりと友達になった途端ベッタリになるのとかもそうだけど、本作は子供らしさというか子供あるあるの表現が本当に上手いと思う。
次回はいよいよ大会、スポーツ物としての真価が試される。頼むぞ。
自分から「アンタだれ?」と聞いておきながら、答えようとすると「しゃべんな」と言う。この時点の理凰、本当に感じ悪いなあ。
バッジテスト直前、恐怖でテンパってるいのりに対して「落ち着いて」と言葉をかけるのではなく、関係ない動作をさせることで平常心を取り戻させるのが、コーチとして頼もしい。
母親達が噂しているのをいのりが聞いてしまうシーンは、原作から少し削られている。とはいえ代わりに削れるところはないなあ。
原作の鮮烈な明暗の演出(モノクロなので)をアニメなりの方法で表現できておらず、抑揚が弱くなっていると感じた。
当方原作ファン。期待と不安を抱えつつこの日を待っていた。
いのりが母親に自分の気持ちをぶつけるシーンでこちらも涙。一番大事なところはおさえられていたと思う。あとは、プログラムのシーンがどうなるか。
いのりが学校でどう扱われているかが原作から少し削られていて、そこはもう少し厚く描いて欲しかった。いのりが学校や家庭で感じていた劣等感は、彼女がスケートをやる動機であり強力な燃料なので。
ただ、そこを厚く描くなら代わりにどこかを削る必要があるんだけど、削れるところがないんじゃよね……。
司が抱えている事情も削られたけど、これは後の話数でやっても問題なかろう。