どんな困難にも、理不尽な状況に対しても負けずに挑んでいくニナの強さ、真っ直ぐさに胸を打たれる作品だった。同時にその姿に元気をもらえる作品だった。
主人公のニナは、友人に裏切られたり、事故死した王女の身代わりとして連れていかれたりと1話からかなり過酷な目に遭い続けて、それ以降も様々な困難に見舞われたけど、どんなに辛くても諦めずに、たくましく困難を乗り越えていくキャラで、本当にカッコ良かった。心が折れたって無理もない位に理不尽な事だったり、時には命が危なかったり、見ているこちらもヒヤヒヤする程だったけど、ニナは正面からその困難や相手にぶつかっていったり、たまには少しずる賢い手も使ったり、感動できるし笑える部分もあった。
そんなニナの真っ直ぐさやたくましさが周りのキャラにも少しずつ変化を及ぼすという展開も良かった。ニナと出会ったアズールやセトは、最初は冷酷なキャラとして登場していた。特にセトはそれが顕著だった。けど2人ともただ冷酷なキャラというわけではなくて、暗い過去があったり、過酷な王族の権力争いや陰謀に晒されていたり、そういった要因で他人を信用できなくなってしまっているキャラだった。そんな2人がニナと出会い、彼女と関わっていく中で少しずつ心を開いていく過程が見ていてとても面白かったし、良いドラマが展開されていたと思う。アズールとセトはニナと関わる中で2人とも変わっていったけど、笑顔や優しい顔を表に出すようになり、雰囲気がやわらかくなっていったアズールに対し、表情や冷酷さにこそ大きな変化はないけど、明らかにニナに対して心を開いていると分かるセト、2人の変化にもそれぞれ違いがあって、その部分も面白かった。
11話のラストから最終回にかけては怒涛の展開で、目まぐるしく状況が変わっていく中で終わってしまった。ニナやセト、アズールはどうなるのか、フォルトナとガルガダの関係はどうなるのか、ぜひとも2期をやって今後の展開を描いてほしいと思う。