冒頭の回想シーンのアスペクト比は昔の映像フォーマットを意識してたのかな。綾瀬にとってプールが大事なものであること、浅村がプールに行かないと言ったことの重さを無理なくさらっと匂わせていて、なぜ綾瀬の気持ちがここまでこじれているのかを表している冒頭が以降の展開の味わいを深めているの本当に巧い。この回では綾瀬母と浅村の会話と劇伴の重ね方、朝食のシーン、あと何回かあった水玉模様のガラス越しの光の描写がとても良かった。
一度浅村にプールを断られたところから綾瀬が自分の感情を持て余してるの、夜のご飯で作り置きを温めるだけ + 浅村が長々と言葉で説得しようとしたのがうまくいかなくて、朝に浅村が作ったご飯を食べるっていう言葉以外のことも含んだコミュニケーションでようやく綾瀬が気持ちを口に出来るっていう過程の描き方がとても丁寧だった。浅村がハムをトーストに乗せて食べちゃってるのを見て自分もやってみたら意外と美味しかったとかホットミルクを飲んだというのが綾瀬の気持ちを晴れさせるのを画と効果音で見せてくれたの本当に良かった。パンをかじる音とかパンにバターを塗る音とか食器とカトラリーが触れる音の細やかな音響も綺麗で心地良い。
綾瀬が浅村親子のカセットテープを持っているのはなぜなんだろう。カセットプレーヤーもヘッドフォンもこれまでの綾瀬の持ち物になかった気がするからテープとまとめて綾瀬母から借りたとかなのかな。カセットプレイヤーはWe Are Rewindのやつぽかったですね。Cパートは昔の映像なのにアスペクト比は本編と同じだったのは残っているのは音声だけで映像は今の綾瀬が想像したものだからかな。綾瀬が夜を眠れず過ごすシーンで机の上の浅村親子のカセットが描かれたあとに天井に水面のゆらめきが映っていたのは次回への伏線なのか。
家庭環境故に深い人間関係を結べなくなったふたりの回復の物語としてよくここまで安直な恋愛要素を持ち込まずに保たせてくれていてうれしい。いちばん親しい間柄の人間である母親とも十分な時間を持てなかった綾瀬の浅村に対する依存や執着を安易に恋愛にされてたらすごく気持ち悪く感じたと思う。
いけてない髪型といい言葉選びといい読売がお姉さんていうよりおっさん寄りなの本当に良い。登場時間が少なかった読売"なるほどのすけ"栞先輩を応援しています…。