しっとりとした画面と声のトーンが現実に義妹が同居することになったら…感を増している。続きが見たい。
タイトルから感じるラブコメ臭だが実際にみてみるととても丁寧で繊細なヒューマンドラマでした。
映像表現も独特で、TVシリーズでやるには珍しい作り方。
とてもよかったです。
とても丁寧で、繊細で、よかったです。
作画カロリーがめちゃくちゃ重い。終始落ち着いた雰囲気で、一気観には向いてない気がする。リアルタイムで追いかけられたのは幸運だった。
このスタイルを提案した監督、GOサインを出したアニP、めんどくさそうな日常所作の多くを担当したメインアニメーターのお二方を初めとした制作陣のパワーを感じた。
ここからが一番好みの展開・関係性じゃんって所で終わってしまった。でも12話まとめるならここで区切るしかないじゃん。ぐねぐねぐねぐね……
いつか同じようなスタイルで続編を観れると嬉しいな。
best in 2024 summer
★5
アニメを見る前、タイトルやキャラクターなどを見て「なんだかラッキースケベ的なアニメかな?」と思っていたけど、それとは正反対の内容に思えた。
第3話まで見た時点で、何か哲学の本でも読んでるみたいな気分だった。
想像とはかなり違う内容で、言葉による心理描写が徹底されていた。頭の中でいろいろ考えながら物語を楽しみたい自分には、きれいにうまくはまった作品だった。
人によっては面倒な作品に見えると思うけど、一つ一つレンガを積み重ねるように話が進んで、無理な展開が一切ないのは、ストーリーとして素晴らしいことだと思う。
いろいろなアニメを見て、どうしてここでこんなことを考えたんだろう、とか、そういうことを思う自分にとって、この作品は、それをほぼすべて丁寧に説明してくれているように感じた。
だから、アニメよりは、原作の文章をゆっくり追いながら、改めて場面場面の心情を味わいたいと思う。
ひとつだけ今でも疑問なのは、第3話で綾瀬さんが下着で浅村くんに迫るところ。なんでそんなことしたのかなって。
漫画のキャピキャピした作風ではなく、より現実に近い恋愛モノで細かい表現が映える素晴らしい作品でした。
最初この作品すごく地味だなと思ったけどそういったわけではなくて、日常の中での何気ない動作や細かい演出が散りばめられていてすごく見応えがあった。主人公とヒロインの家庭環境が要因で恋愛以前に人間関係で縺れたり、親を悲しませたくない一心で自分の感情を押し殺したり、家族だと割り切っていても好きなことには変わりはないから嫉妬したり、なんだかんだ不器用な二人の感情の変化が面白かった。最終的に”すり合わせ”という形で終わったが、周囲に悟られないように付き合い始めた結果、どこかで感情の爆発がありそうで気になる。
演出に関してはアニメというよりどちらかというとドラマとか映画に近い作り方、無駄なBGM、大げさな演出が無く、細かい演出が散りばめられていてドラマ的演出だなと思った。なんならこのまま実写ドラマ化しても違和感ないかもしれない。何より面白いのが原作者のTwitterの長文解説、本編で理解しきれなかったところを要約してくれるから「なるほどな」てなった。
なんならこの先が一番面白そうだから、2期制作してほしい作品。
この作品にしかない、この作品でしか楽しむことができないような、そんな唯一無二の空気感があった素晴らしい作品だった。この作品はとにかく様々な要素の「表現」がとにかく天才的だった。義理の兄妹となった浅村くんと綾瀬さんの心情や関係性の変化、浅村家の日常生活の様子、作品の世界観やストーリーを構成する様々な要素を実に多彩な形で表現していた。浅村くんや綾瀬さんなどキャラクターの心情や関係性の変化については、モノローグだけでなく、言葉ではなく心象風景を使ったり、表情や声のトーンの変化・違い、会話の時の間の取り方を利用したり、手やつま先など体の一部の繊細な動きを描写したりと、とにかく多種多様な表現方法が用いられていて見事だと思った。こういう表現の方法があるのか、こうやっても表現できるんだと、視聴していて何回も思った。浅村家の日常生活・風景の描写に関しても、他の作品では中々描かないような細かい部分まですごく丁寧に描写していた。1話で引っ越してきたばかりで玄関の電気の位置が分からずに色々とボタンを押して試してみる綾瀬さんの描写とか、朝食の際にインスタントの味噌汁を作る浅村くんの様子とか、とにかく日常の要素を徹底して突き詰めて、丁寧に描こうという意気込みが感じられた。作中全体を通じてかなり静かで穏やかな雰囲気で、家族の様子を描いてる際にbgmが少なかったように思えるけど、それも日常生活の様子を丁寧にリアルに近い形で描くための演出の1つだったのかなと思う。浅村くんと綾瀬さんのキャラもすごく魅力的だった。それまでの家庭環境や両親の別離という背景もあって、2人とも高校生とは思えない位しっかりしていて、大人びていた。けど、大人にならざるを得ない環境で育ってきたからこその2人の未熟さとかも描かれていて、2人がお互いを異性として、そして兄妹・家族として、どのように関わっていくのか、そういう人間ドラマ的な部分がしっかり描かれていたし、多彩な演出・表現の中で描かれたそのようなストーリーがすごく見応えがあった。どのような点においても、中途半端にならずに「表現」することを追求した素晴らしい作品だったと思う。
こういろいろな要素が掛け算になっていたところが素晴らしいという作品の個別の要素に評価を付けたりするのは野暮なのではないかという気もする。最初から最後まで信じられないくらい色々込められ中身が詰まった作品でした。
登場人物の生活を見せることや感情を描くことに徹して、視聴者の気持ちを操作するために出来事を起こしたり不要な起伏をつけてある感じが少なくて良かった。不要なラノベ感やラブコメ感も注意深く避けられていたように思います。
アニメを娯楽として観ている以上は楽しみたいとか観ていて気持ちよくなりたい思いがあるものだけど、行き過ぎると自分が知っている気持ちよくなれるパターンにはまっていないから作品を批判したり、酷い時は作中で何が表現されているかより自分が読み取りたい要素を無理やり見出そうとしたりしてしまうこともあったりするけど、この作品の中に描かれていることを最大限受け取ろうと思えるような時間が過ごせたこと、とても幸せでした。おかげで毎週長々とお気持ちをしたためてしまった…。
美しくまとまって終わったので個人的には2期はない方がうれしいかな。
これまでの感想は原作及び原作者の解説をまったく読まずに書きましたが、原作者の解説をこれから読んでまた何度か観返してみるつもりです。
https://min.togetter.com/JSwASc6
最終話で到達――――――――――――。すぎて冷静さを失ってしまってる、いままで映像はいいんだけどなんなんだよこの会話はとか台詞回しとか義妹の行動とかにさんざん文句言ってたのに完全に和解してしまった すごかった