人の衝動、沸き立つ情熱、激しい気分の浮き沈み、といった人間ならではの「変動」が印象深い。
主人公ケンジの型にはまらず思いのままに生きる様がそれを象徴していたように思う。
「間」の取り方が独特。適当に日々を過ごすケンジの虚無感のようなものを感じた。ただ、ケンジが音楽を始めてから間を感じるシーンは少なかったように思う。
しかしカセットテープの録音を聞いたところで再登場。それにより、その後の「飽きた」というセリフも何となく予想することができた。
作品全体を通じて淡々と描かれているので、観ていてワクワクしたり、感情を揺さぶられたり、といった観点での「面白さ」はあまりないと感じた。
他方で、既存の「バンドアニメ」、(例えば、バンドを始めて成功するまでの挫折や紆余曲折を描くもの)とは全くもって異なっており唯一無二性が強い。
そうした点で本作品には、"彷徨える人々"に訴えかけるモノが確かに存在するのではないだろうか。