原作未読。
岡部恵美・伊吹桂子のエピソードがシリーズの軸の一つだと感じでいた。その点で11話は予想通りであったが伊吹桂子本人をさらに掘り下げるのではなく、田端若菜による取材という形で物語を進めたのは予想外だった。本作はオムニバス形式でありながら各話の登場人物を次の話に絡めていくことで、複雑に絡まった人間関係や、その登場人物が他の登場人物に与えた影響を神の視点から見て楽しめるのもまた楽しみの一つ。
今回も柳原加代子が再登場し、過去の人物たちの人生が複雑につながっていることが感じられた。こうした積み重ねによって、一つの出来事が何度も違う角度から照らされ、人物像に厚みが増していくのが面白い。
そしてやはり、この作品が良いと感じさせたきっかけとなった2話から登場している岡部恵美の存在。
本人は既に故人でほとんど登場しないにもかかわらず、周囲の証言を通してむしろ存在感が増していく。岡部恵美の淡島を去った後の心理を語ったエピソードが無いからこそ、その回りから掘り下げていくするストーリー展開が、視聴者にもう本人の言葉を聞くことはできないという事実を想起させるとともに切なさも感じさせる。最終回ではそちらサイドからのエピソードを期待したいが、次回のサブタイトルからして、ちょっと期待薄という事と、それが無いからこそ想像の余地が広がってよいのかも知れないと思っている。