「ようこそ、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!」だけで今回はもう満点……。
美里さんから愛へ、愛から璃奈へ、璃奈からミアへ、ミアからランジュへ、手を差し伸べること、つながること。
栞子、ミア、ランジュはみなそれぞれに夢を抱いていたが、一度はそれを胸にしまって、手を伸ばすことをやめてしまった。でも、再び手を伸ばしてもいい。スクールアイドルとはそういう存在。
インターネットが飛んでいる。
桃のことをもっと知りたいシャミ子。なんだかんだでフォロリクしてくれる桃。
ご先祖、シャミ子の身体で動ける。桃の過去に気をつかうご先祖。
ツケ払いはあぶない。
ランジュの Queendom も強いし、そのうえでトキラン with 侑は強い。最終回か?という勢い。
裏方として player のオーダーに応えて作曲し曲が評価されれば作曲家としては十分。でもそれだけでなく、同好会で自分なりの形で自分を表現したい。せつ菜に勇気をもらって、トキメキを形に。
侑がピアノイントロを弾くシーンは、3rd ライブを意識しているんだろうという感じだが、前提知識なくともいいシーン。
1期13話でみんなで回していたノート、やはり夢ここの歌詞。その隣に続く、虹が始まる場所=TOKIMEKI Runners。
ランジュが日に日に曇っていく。第1回 SIF を見て日本に駆けつけた当初の想いは、まだ道半ばではないか……?
今回、栞子周辺の物語が一気に展開し、特に薫子の過去と栞子の関係など、急に提示された内容もあったのは否めないものの、栞子の笑顔が観られた満足感が大きい……。
1期アニメファンブックで述べられていたと思うが、虹ヶ咲アニメでは回想シーンを使わず時系列的に表現するよう努めているとのこと。そのぶん、今回の回想シーンの重みが増しているように感じられる。
姉にあこがれ、自身もスクールアイドルになりたいという思いを抱いたかつての栞子。予選で見せた薫子の涙は、姉を追いかけてきた栞子にとって計り知れないショックだった。そのときから、夢にフタをして、後悔を避けるために自分に向いていることだけやるように……。でも、SIFが「みんなの夢を叶える場所」ならば、栞子の夢も叶えたい。同好会の面々は、(多少おせっかいでも)スクールアイドルの夢を抱えたひとを放っておけない。薫子から直接想いを伝えられたことが最後の一押しとなって、栞子の夢は再び動き出す。
ひとそれぞれ向き不向きがあり、向いてないことに取り組んでもうまくいかないということは多い。ただ、やりたいという気持ちを持てるのも、ひとつの適性なのかもしれない。想いがあるならまず行動してみること、やりたいという気持ちに誠実であること。
栞子やミアが同好会と急接近し、どんどん曇っていくランジュ。特に栞子は幼馴染であるのに、栞子がスクールアイドルの一歩を踏み出すきっかけはランジュではなく同好会だった。心中察するにあまりある。
あまりにも完璧で感謝の気持ちがあふれてくる。「大好き」の二者択一を迫られても、思い切ってどちらもやる、第3の選択肢がある。
これまで、スクールアイドルとしてやりたいことと、生徒会長としてやりたいことをどちらもやるために、せつ菜と菜々を使い分けていた。「生徒会長とスクールアイドルは全然違うもの」という発言のように、生徒会長のときは生徒会長として模範的にふるまい、スクールアイドルのときはスクールアイドルとして夢を与える。生徒会長でいるときに、スクールアイドルとしての大好きを表出してしまうのは、生徒会長としての自分を期待してくれる周囲に対して申し訳ない、という気持ちがあったのかもしれない。
第2回SIFのキャパシティに関する問題に直面し、スクールアイドルとしてSIFを実現することと、生徒会長として文化祭を実現することの両立が危ぶまれた。生徒会長としての菜々は、SIFをやりたい気持ちを押しとどめて、生徒全体のために文化祭の優先を即決する。しかし、生徒会長としての菜々のまわりにも、スクールアイドルとしてのせつ菜のまわりにも、理解してくれるひとはたくさんいる。ひとりで思い詰めて同好会を廃部にしようとしたあのころのせつ菜とは大きく状況が異なる。「始まったのなら、貫くのみ!」 1期12話で歩夢の背中を押した言葉が、せつ菜の背中を押す。感涙。このセリフ2期のどこかで使われるだろうと想定してはいたが、ついに来たか……!となった。
SIFと文化祭をどちらも実現させる目途がついたことで、菜々とせつ菜どちらの大好きも諦めなくていい、と再確認するとともに、菜々=せつ菜の公表の決心がついた。
実際のところ、生徒会長としての菜々がせつ菜でもある、ということを理解してもらえる素地は以前からできていたと思われる。あとは、菜々=せつ菜本人の決意次第で、そのきっかけが第2回SIFだった。考えすぎかもしれないが、SIFと文化祭を合体させてひとつのイベントとして開催することが、せつ菜と菜々をひとりの存在だと公表することと重なって見える。
A・ZU・NA曲はそれぞれのメンバーの個性が強く出ていてとても良い。特に今回は、せつ菜が直面した状況にピッタリの歌詞で、思い切って全部choice!という気持ちになった。
せつ菜=菜々が自分の大好きを見事に体現する様子を見て、栞子は何を想う……?
幼少期の桃とみかん尊い。
事態を解決しようと一発逆転の近道を選んで失敗。近道しようとする気持ちにつけこむ。
謎の杖、フォークなのにさじ加減次第でいろいろ使えて便利。
桃に笑顔になってほしい。姉のことや、シャミ子を巻き込んだことに対する責任感があるのだろうけれど。
テンポよくストーリーが展開していって観ていて楽しい。果たし状とシャミ桃デート。桃とミカンさんが引っ越してきてにぎやかに。すき焼き食べて固まるシャミ子。
桃、じぶんひとりで完璧にやろうとしちゃうタイプなのか……
個人的にはこういう回かなり好き。A・ZU・NA結成までの流れをやりつつ、栞子、ミア・ランジュの話も並行して進めていく。1話からの全体の構成のなかで緩急をつけるためにゆるい展開を主体としつつ、5話単体のなかでも緩急がつけられている。
今回の急所はランジュから見た侑。ミアとNSNMの動画を見て、侑のポテンシャルの高さを感じ、よりいっそう「なぜ同好会にかまけ、音楽に集中しないのか?」という思いが募る。
侑のなかにも考えはあるようで、侑と歩夢の観覧車シーンでも言及されていたように、いずれ何らかの形でこの問いに対する答えが出てくるものと思われる。2期の大きなテーマのひとつ。
また、A・ZU・NAそれぞれのメンバーの描写も興味深い。歩夢は、1期11,12話を経てファンから見られる自分を意識できるようになり、観覧車シーンでは、ユニットでやっている姿をファンのみんなに見せてみたい、という前向きなコメントがあった。侑を追跡してやきもちを焼くなど、今までと変わらない歩夢らしさはありつつ、1期を経て変化した部分も感じられる。
しずくは、1期8話で演じる自分とほんとうの自分との間での葛藤を経験したが、今回は歩夢とせつ菜の様子から、型通りの役を演じるだけでなく、自由にやっていい、という新たな視点を手に入れたようだった。ストーリーを作るのが得意なしずくは、自分のことも、さらには他者のことも、役割にあてはめて考えがちなのかもしれないが、時にはそういう固定された役割を取り払っていい。
せつ菜と菜々の二重生活については、やはりA・ZU・NA回で決着がつくようだ。休日中も2つの役割をさっと切り替えられるせつ菜だが、せつ菜=菜々であることに気づいた栞子が次回どう動いてくるか気になるところ。次回のタイトルが「大好きの選択を」、ということで、せつ菜が何らかの決断を迫られることになるかもしれない。