ジャンプコミックス25巻収録分。
それにしても、なんという魅惑的なサブタイなのか。「ヒュンケル自身がいかにも好きそうw」などと笑ってはいけない。
魔剣戦士時代のヒュンケルの強さの秘密について、かつてミストバーンは語った。曰く、
「相反するふたつのエネルギー。即ち、正義の闘気と暗黒の闘気の双方を体内に併せ持つことの出来る、究極の戦士が生まれたのだ」(40話)
ヒュンケルはこれをただの挑発ではなく、冷静に事実として受け止めた上で、逆手にとってミストバーンの裏をかいた。40話の感想にも書いたけど、やり手に見えるミストバーンを、20話余りかけて出し抜いたこのシーンは本当に痛快。
とはいえミストバーンは、たとえ今のヒュンケルにとっても「花を摘むように」討てる敵では全くないのだが。
今にも処刑されそうだったクロコダインは、この時にやっと、ヒュンケルに何か考えがあるらしいと気付いた。
この状況でかけた言葉は「ヒュンケルがんばれ」。難しいことはわからないが、とにかくがんばれ。この言葉選びには、クロコダインにいつも以上に侠気を感じた。
ヒュンケルの復活に涙ぐんでいた獣王を原作と比較し、涙がより鮮明に描かれた作画に好感。また細かいところだと、マァムがクロコダインの枷を正拳で破壊するシーンが描き加えられていたのがよかった。
アバンの使徒たちが全員集結。血わき肉躍る、形勢逆転の回。
あとはポップのしるし件さえ解決すれば、なんの心配もないところ。