これまでの青ブタシリーズは咲太は主人公として思春期症候群に悩める友人たちを基本的には”救う”立場だったわけだけど、今作は明確に咲太が巻き込まれる側だったのでまずそのアプローチが新鮮だったね。序盤の双葉との会話にもあったし、常にその飄々とした立ち振る舞いからも悩みなんてあるのか?と自分も思ってしまう彼。だけど描かれていないこと=意図的に思考から外していたことなんだな、というのに気づかされた。それは紛れもなく母親のこと。他のキャラクターたちとの母親と子という関係も織り交ぜつつ、なかなかまっすぐ向き合うことができなかった母親に咲太が色々な人の助けを借りながら最終的には麻衣さんとの会話の中で涙ながらに本心を語ることができたのがすごくいい脚本だった。病室でのラストシーンはめちゃくちゃ泣いてしまったよ…。こういう家族のテーマにめっぽう弱い。
大筋のストーリー展開はそこまで斬新なものではないけど
だからこそシンプルに染み渡るストーリーで俺はこれまでのエピソードで1番好きでした。面白かった。