茶目っ気溢れる方法でチセを攫ったリンデル。彼はエリアスよりも遥かに年を取っているということだけれど、彼に言わせればエリアスがガキのように見えており、チセへの態度を親の真似事と評している点は面白い。
エリアスはチセを弟子兼お嫁さんとして買い、口では「物」と言っているのにリンデルからは親子のように見えているのか。
チセが来るまではシルキーと共にひっそりと暮らしていたエリアス、エリアスの家族という言葉に繋がりを感じたチセ。そして、リンデルの言葉と併せて考えるとこの物語の終着点は恋愛的なものではなく、家族的なものになるのかもしれないとなんとなしに思った
人間と異なる死生観を持つドラゴン。そして死を間近に控えたネヴィン。
知らずらしずの内に死者を羨み、飛ぶことを、フェンスの向こうを夢想するようになっていたチセ。そんな彼女にとってネヴィンの力を借りて本当の空を飛べたのは、小さな救いになったのだろうか?
「生きるために空の下を飛びなさい」というネヴィンの台詞はどの程度チセに刺さったのかな?
同時に明かされた、魔法使いとして最後の世代になるどころか、今のままでは三年も持たないという悲惨な事実。それをチセに告げていないのはエリアスなりの優しさなんだろうか?