物語の背景に隠されていた様々な真実が明らかになる回。原作を知っていてもダイナが「どんな姿になっても貴方を探し出すからと」と遺言を残してからあの因縁の有りすぎる巨人の姿になるシーンは鳥肌モノ
他には宗教を描いているわけでもないのに、信仰の負の側面を見せられた気になってしまう。
グリシャの父はマーレ国の中で生き残るために自虐史観を必死になって息子に教えようとする。妹が死んでもそれを続ける父に反発したグリシャは父とは全く違う道を選ぶが、その先で己の息子に逆でありながら全く同じ行為をしてしまう
グリシャの父もグリシャ自身も自分が正しいと思う思想を息子に押し付けてしまう。
また、隠された歴史を前にしたグリシャの行いは酷いね。まともに読めない古文書を「始祖ユミルを信じているから」なんて理由で自分の信仰に都合のいい真実が書かれていると思い込んでしまう
自分に都合のいい信仰を抱き続けた彼らの末路は悲惨。グリシャの父は家庭を崩壊させ、グリシャは息子に裏切られる。また、エルディア人が苦しむのを楽しんで、それを教育だと信じていた曹長はフクロウによって落とされ巨人に喰われてしまう
様々な愚かさを伴いながら、フクロウが持つ巨人の力がグリシャに受け継がれ、それが更にエレンに受け継がれていく。そしてエレンは死に急ぎ野郎と呼ばれながらも遂にグリシャが隠した真実を知ったわけで。何とも因果ばかりな話である