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良い

異なる存在の者が歩み寄る難しさを感じさせた回
本作は異形集団の中で人間が生きる難しさを描くシーンが多いけれど、今回はその逆が描かれている

魔女のフェオドラが迷い込んでしまったのは人間の村。
村人達は異形を非常に警戒している。だからフェオドラは彼らの中で過ごす為には正体を隠さなければいけない
ただ、やり過ごすだけなら彼らと親しくなる必要はない。けれど、フェオドラはミヤを始め村人達に馴染もうとする。少女達の髪の毛を結い、染め物を共にする
そこには彼らに歩み寄ろうとするフェオドラの心が見える

でも、人間の臆病さがそれを不可能に……
見た目は恐ろしくても実害のない異形を問答無用で殺した村人達。「俺は何もしてない!」の言葉に耳を貸さず、むしろ言葉を発したことを「気持ち悪い」と思ってしまう感覚
それはフェオドラとは判り合えない断絶

だからフェオドラも怯え隠れ出ていこうとする。それでもミヤにもし私が異形だったら?と聞いてしまったのはまだ期待したい気持ちがあったからだろうね
結局はフェオドラは村人の前で正体を表すことになったけど、それによってミヤはフェオドラの必死の想いにも気付けたわけで

最後の最後、フェオドラを異形ではなく「友達だ!」と言い放ったミヤ。小さな彼女に出来るたった一つの、けれどとても尊い歩み寄りであるように思えた

そう思えば、ゴーレムとソマリが半ば侵入のような形で館長の傍まで行ったのは意味があったのだろうと想う
ハライソの伝記を読めば、魔女と人間の顛末を知ることは出来る。でも、フェオドラの願いやイゾルダの悔いに寄り添うことはできなくなる

異形を忌み嫌う人間達の中でミヤの想いを受け取ったフェオドラの心がイゾルダを通して異形の中で生きる人間のソマリに伝えられた
この先、ソマリが寄り添う相手となるのは人間となるのか、異形となるのか、それともどちらとも歩み寄ろうとするのか気になるね



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