真由の人間性に迫りつつ、それによって久美子の人間性も改めて浮かび上がってくる構造になっていたような
久美子は相手の要求を何だかんだ受け流せるおおらかさを持っている印象がある。それは別の見方をすれば特別な何かを持っていないと言えるかもしれなくて
それは真由に通じる要素と言えるのかな?
吹部の日々を過ごしつつも真由との会話を望む久美子は少し面白い動きをしている。前回は真由を拒否したのに、今回は自分から誘っている
両者の様子に前回の緊張は垣間見えない。それを隠せるくらいの大人さを持っているね
でも、それは松本や夏紀が示した大人っぽさとはまた違うベクトルに思える
そもそも大前提として久美子はまだ自分の進路を決められない高校生。家族に相談しても説明会に行っても様々な助言を受けても決まらない。それはこだわりが強いようでいて、全くこだわりが無いように感じる
真由との連なりで考えると、今の久美子は何か一つを持っていない為にそれを寄る辺と出来ないのかもしれない
ただ、人に囲まれているからそうは見えないだけで
真由もそういう話なのかな…?
普通から外れているとの自覚が有って、かといってそれに不満が有るとか直すべきと思う様子はない
そんな真由の今の寄る辺はもしかして久美子なのかな。久美子が真由に自分を見たように、真由も久美子に自分を見たのかもしれない
だから彼女にだけ自らの歪さを明かしたのかもしれない
結局久美子が望んだ話は出来たと言えるのか?その点は非常にあやふやだが、真由は久美子が望む通りにオーディションで本気を示すと宣言した
皆が喜ぶ事を志向しつつ久美子の喜びを重視するかのようなその姿勢、黒江真由という人物が判ったようで益々判らなくなった回だったように思えますよ……