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良い

アルとバーニィが協力してガンダムを誘い込む罠を作り上げる様子は緊張感よりも微笑ましさを感じられ、基地に潜入した時の事を思い出させる
あの時の二人は兄弟ではないのに、本物の兄弟みたいで
でも、そんなのは嘘っぱちで。平和を守る為に吐いた嘘を信じ込ませる大人になる為の物語。その終幕はとても寂しいものに感じられましたよ…

ガンダムと戦うのはコロニーを核ミサイルから守る為だった。なのに直前になってその理由が無くなるというのは皮肉と虚無が入り混じっている
一見するバーニィの死は無駄死にという事になってしまう。アルはガンダムを恨まずに居られなくなるかも知れない
だからこそ、バーニィの嘘と真が入り混じったビデオレターが響いてくるね。戦前には見せなかった本音と嘘、戦後に禍根を残さない為の嘘と本音。どちらもアルを慮ったもの
バーニィはコロニーは守れなかったかも知れないが、アルの心は間違いなく守っている

アルがこのバーニィとの関わりを通して、少し大人になったと察せられる描写があるのは良いね
サイクロプス隊に心寄せている間はガンダムなど安易に憎んだ敵だった。なのに乗っていたのは隣人のお姉さんクリス、憎むなんて出来やしない
クリスは自分の役割を教えず、アルを悲しませたり心配させたりしないようにしている
なら、アルだってクリスを悲しませてはならない。バーニィの嘘を信じる彼女に優しい嘘を吐く彼の姿からは最早戦争を無邪気に喜ぶ少年の様子は感じられない

結局、この物語で描かれたのは戦争の一端でしか無く、ガンダムとザクの戦いなど戦局に何の影響もなかった
それでもアルという少年が戦争を理解するには充分過ぎるもので。校長の話を聞き涙を流す程の悲しみを抱いているのに誰にもその理由を言えず、むしろ友人からは「戦争はまたすぐ始まる」と励まされる
周囲より一足早い成長を迎えてしまった彼が後の宇宙世紀をどのように生きたのか、どうにも思いを馳せてしまうラストでしたよ……



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