無の民には救いの道が描かれた。それを成し遂げた千夜はけれど自身に救いがあると思っていなかったようで
救いが無いから放浪するしかない。悲壮な彼の覚悟は他方で彼に想いを寄せる月湖を無視するもの
この擦れ違いの根源に何があるのか。それを潜り探る話となったね
己を人の世に有ってはいけないと話す千夜は居場所が無いと言っているようなもの。同じく離れようとしたなうは居場所が有るから帰らなければならないのとは雲泥の差
でも、長い時間を共に過ごした月湖にとっては千夜の発言は許し難いし、真介も千夜の認識を正さねばと思う
ただ、千夜が救われるにはそれこそ自分で自身を救うしか無い
そうして幽界で明らかになるのは彼は自身を救いたいのではなく滅ぼしたいとの罪悪感。野禅の言葉が無くても彼は自分を人間として許すつもりなんて欠片もなかった訳だ
自分勝手な破滅願望、それを空気を読まない飛び蹴りで止めた月湖は良い女房ですよ。月湖にとっては千夜こそ共に在りたい者。月湖には千夜が居場所で、ならば千夜にとっても月湖は居場所となる
そうした認知の改善が、千夜を千の闇が埋め込まれた人間ではなく、多くと共に在る者と再定義するのは良かったな…
彼がどれだけ変わってしまったとしても、彼と共に在る者達は変わらない
多くを救い、己自身をも救った千夜が次に救うは自ら滅びに突き進んだ千本妖狐・迅火。灼岩も戻ってきたのだからいい加減に迅火・たま・真介・灼岩が揃ったシーンを見たいものですよ