描かれるは大喜と雛だけのデート模様。けど二人だけの場所では無いから知り合いと出会ってしまう。その際に二人だけの時間を取るか、他の人を混ぜてしまうか…
二人きりという要素を特別視しているかに左右されるその判断は残酷な程に雛と大喜の差異が見えてしまったような
それでも雛は二人の場所も時間も楽しんだと判る。雛にとってあのデートは思い出深いものになったのだろうね
約束して出会ったのが雛なら、偶然出会ったのが千夏
約束をしていない大喜と千夏が一緒に夏祭りを楽しむなんて普通は難しい。けれど迷子のゆめが二人を結びつけた為に祭風景を共にする事になった点は運命的
この際の千夏の態度が少し面白いね。2人を結びつけた幼いゆめにはお姉さんとして優しい対応。けれど場を乱すかもしれない花恋はちょい警戒気味
大喜は千夏との時間を終わらせたくなくて「可愛い」と言わなかったけど、千夏も二人の時間を止めたくなかったのだろうね
雛は大喜が千夏と出会っていた事を知らずに二人の時間を過ごしたわけだけど、一方で大喜は雛が誘われていた事を知らずに過ごした
これは雛が大喜との2人だけの時間も場所も崩したくないから、誘いを受けず且つそれを大喜に教えなかったのだろうね
それだけ雛はあの瞬間を楽しんでいたと受け取れるわけで。そうなってくると雛を待たせている間に千夏と逢ってしまった大喜の罪深さを意識せざるを得なくなるな……
罪という観点では、千夏は大喜の嘘を責めているね
実際は考え足らずな大喜にそのつもりはなかったのだけど、事情を知らなければ、そして考え過ぎな千夏としては納得し難い齟齬
けれど、それを大喜に聞かせるでもなく話すのは分別があるからか。大喜も千夏も雛も恋愛より部活に専心中。だから恋愛で心乱して部活をおざなりになんて出来ない
もやもやが有りつつ、告げられず部活へと戻っていく千夏の姿に彼女の立場から来る難しさや切なさを感じずには居られなかったよ…