原作既読
登校中の喧騒や教室の賑やかさに反して比名子はひたすらに静か。というより、生きている鼓動を感じられないというか
何度か海のイメージに染められていたように、比名子の意識は陸上より海底に在るようで。音が届かず息は出来ず人は生きられない世界
だとしたら、海の意識に沈む比名子の傍に訪れた海のような汐莉が何を意味するのか、改めて味わえると確信できる第一話でしたよ
表情に明るさはなく、喪われた家族写真を見詰め、海の底に意識を引っ張られている比名子を見て「生きている」と感じ取れる余地は少ない。それこそ比名子を見て汐莉が身投げをイメージするのもやむ無しといった印象
けれど、比名子にも明るさが取り戻される瞬間があるね。美胡と居る時は彼女の声色も明るくなり、美胡に釣られて賑やかになる。美胡が傍に居る時だけは比名子もまるで救われているかのよう
それだけに美胡が去った瞬間から再び海の底に沈む様が強調される
生きている人間ならば海底に引きずり込まれるイメージに抵抗するのに比名子にその様子は無い。これは突如現れた磯女に対しても同様
比名子は汐莉に助けられた。けれど海の印象を持つ彼女とて生きている人間ではないというのは強烈。比名子を助けながら生を授ける者ではない
「食べに来た」という言葉は比名子を救うものとなるようで。ただ、それがまともな約束に成るわけがなく
忌避すべき望みを抱く比名子と忌避すべき存在の汐莉。生のない二人による物語がどのような印象を授けてくれるものになるのか、今後の展開に期待大ですよ