「魔法が使えたら便利にちがいない!」と思いついたのび太は、もしもボックスで魔法の世界を作り出す。だが、ここでもやっぱり不器用なのび太は、魔法がうまく使えない。
そんな中、のび太は、魔法を自由にあやつる美少女・美夜子とその父・満月牧師に出会った。牧師から、悪魔族が住む“魔界星”が地球に接近、地球侵略を企てていると聞いたのび太たちは…!?
もしもボックスで魔法が使えるようになった世界で地球と衝突しそうになる悪魔星をぶっ壊す物語。
旧も伏線すごかったが更に磨きがかかり、ドラミがきた理由が納得できるようになる。また、その匂わせも素晴らしい(もしもボックスが捨てられたときに旧ドラ版のシルバーの勉強机が描写されるところ)。
ヒロインかわいい。サブストーリー(お母さん編)はちょっとだけいい。
エンディング後、チンカラホイでしずかちゃんのスカートが持ち上がるのはもちろんのこと、ヒロインの女の子の「髪を伸ばそうと思う」のセリフは感動物。さらにほうきもかかっていたりと、魔法のない世界でもどこか魔法の世界にあったものがあるという描写もなかなか見物。とても素敵である。
限りなくとても良いに近い良いとする。
SFガジェットで魔法世界を創造する。ファンタジーとSFが仲良しっぽい1970年代っぽさを感じさせるお話。ダメなやつは魔法世界でもダメ、ってのをやってくれて満足。
しかし、今回のお話は本来、美夜子とその父・満月牧師が主人公であるところをドラえもんたちが主役を簒奪している感じが強くてなぜか、あまりノレなかった(だいたい毎回、そういう主役簒奪展開な気もするが)。
解決に至るための「もしもボックス」の設定を「タイムマシン」で破る展開には、疑問を感じた。
「もしもボックス」はボックスのなかにいる者の希望に沿って、ボックスの外側を無限にある並行宇宙から要望にあった「もしもの世界」とそっくり入れ替える装置だと思っていたので、タイムマシンで時間を遡行しても、そこにあるのは魔法世界の過去なんではないかなと。つまり、タイムマシンの効果より、「もしもボックス」の効果が強いのではないかと私は思うのだ。そうじゃないですよ、というのが公式なのだけど、納得いっていない。
月が巨大な魔法装置であるとか、宇宙に空気があるとかで、いろいろ面白かったのだけどね。