まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽。
小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。
夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに
取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。
その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。
航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。
すると、突然不思議な現象に巻き込まれ――
気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。
泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?
果たして元の世界へ戻れるのか?
ひと夏の別れの旅がはじまる―
別れを乗り越えて、先へ進んでいく物語だと思いました。
団地というのはまさに文字通り、みんなが一緒に寄り添い合って共にある場所。
だけど、いつかは時の流れの中で朽ちていく。
航佑と夏芽がかつて一緒に暮らした団地もまたそんな風に過去の遺物となって取り壊されることになっていた。そんな団地に満ちていた古い部屋独特の落ち着く空気が、捨てられない思い出を抱えた夏芽と前に進まなきゃいけないという航佑の間に嵐を巻き起こす風となっていった。
どこまでも広がる海に浮かんだ漂流団地は、自分の気持ちにどう整理をつけたらいいのか分からない子どもたちの思いのように、ただただ海と空の青い背景の中を漂っていた。
そんな時の流れすら忘れてしまうような漂流だけど、押し寄せる困難を中で航佑と夏芽にも徐々に変化が表れて、かつて二人が一緒に暮らしていた時のようなどうしようもなく離れられない絆が蘇りつつあった。
そして、時間も確実に流れていく。子どもたちを乗せた思い出の団地は徐々に崩れていく。思い出のようにその形を失っていく。夏芽にとって欠けていた家族との思い出を埋めてくれた安じいや航佑との思い出、それが詰まった団地。そんなの見捨てられない。離したくない過去に手を引かれて、夏芽は航佑たちと戻るべき今、進むべき未来から取り残されてしまう。幼い頃の思い出を呼び覚ます「蛍の光」の音色にどうしても抗えない。自分の居場所だったおうちに帰らないといけないの……。
夏芽の心には漂流団地でみんなに迷惑をかけた「私がいない方が……」という思いに穿たれてぽっかりと喪失感の穴が空いていた。だから、それを埋めてくれる団地の思い出を手放せない。だけど、もうそこには一人ぼっちで、孤独という不安が襲う。
だから、一緒にいたい。朽ちてく過去の思い出に別れを告げて、みんなと一緒の新しい未来へと帰らなきゃいけない。
過去があるから、今があって、未来へ続く。在りし日の思い出があって、今も二人を繋ぎ止めてくれる。朽ちていった思い出も二人の絆をより途切れないように強くする肥やしとなっている。そして、刻々と過ぎる二人が一緒の今も、やがていつかの思い出となって、二人をより強く結んでいく。そんなもう戻らないあの日の思い出が増えるほど、二人一緒の今だけの瞬間が大切になっていく。
だから、過去とのお別れはずっとずっと二人一緒で大丈夫だよというシルシなのだ。思い出の数だけ、二人は強く強く結ばれる。
それはきっと夏の終わり、太陽に照らされた日々が去ってしまったことへの寂しさに、明日はもっと大切に過ごそうと思うことと同じなんだろうと思う。
着想とテーマ、モチーフなどはとても良かった。
作画も非常によい。
特に団地で育った私にはそもそも刺さるものであった。
構成はやや冗長だったかなと思う。
もう少し凝縮した方がテーマも却って伝わるのでは?と思わされた。
圧巻はスタッフロールの長さだった。
エンディングソングが終わってもまだ終わらずに劇伴流して表示していた。。。
これだけ多くのスタッフに支えられているというのは監督のあるいはプロデューサーへの期待、信頼の大きさの現れなのか?
…あと、バルナックライカと思われるカメラを、値段を知っているとハラハラさせられ場面が多かった。。。
夏芽と航祐、きっとお互いちょっと好きなんだろうけど、2人とも不器用ですれ違っているの良いなぁ
のっぽくんとか遊園地にいた女の子は、その建物とかの精みたいな存在なのかな
遊園地にいた女の子が令依菜に言った「いっぱい遊んでくれて、愛してくれて、ありがとう」って言葉がめちゃくちゃ良かった
役目を終えた遊園地が令依菜そう言ったように、それぞれが愛した思い出の場所はその「場所」からも愛されていたんだろうね
公開記念舞台挨拶@豊洲(上映後舞台挨拶) にて鑑賞
これは劇場で観るべき作品。音響、迫力がとても良かった。
事前に想定していたより何倍も面白い作品だった。
全体的に声優さんの演技が素晴らしかった。
なんか最近の映画は声優が本業じゃない方が主役やったりでぎこちない演技が続いてそれに気が散っちゃって作品に集中できないみたいなことが多いけど、この作品は本当に声にも全く手を抜いていなくて気持ちが良かった。
舞台挨拶で言ってたけど、じゅりちゃんの
「そういうこと言っちゃダメ!」
みたいなセリフは、花澤香菜さん自身が実際に言われたこともあるらしく、実体験があったからこそさらに気持ちがこもっているらしいですね。
監督も「おお!」となったとのこと。
小学生にしてはやや大人びすぎているセリフも多いけれど、小学生だからこそ自分の感情を上手く言い表せない、上手く行動できない、ということが作品全体に現れていた。
自棄になっちゃう・素直になれない子、過去にとらわれ自分を責めちゃう子、自分の主張を激しく言ってしまう子、それを宥めるすこし達観できている子、穏やかで優しくファシリテーター的な役割の子、遊び心が大きく好奇心旺盛な子、そしてミステリアスな…子(?)、みんな違ってみんな上手く影響を及ぼし合っている。
監督がおっしゃっていたけど、ギスギスしたシーンには絶対にたいしくんを登場させないようにしてるらしいですね。この子は可哀想な目にあわせてはいけない、と。いいこだわり。
なつめ(瀬戸麻沙美さん)の演技が本当に良かった。
鑑賞者目線・こうすけ目線だと「なんなんだよ」となってしまうような行動もとってしまうけど、それは彼女なりに理由があって、それが本当に上手に表現されていた。
書きたいことはいっぱいあるけれどこのくらいにしておきますかね。
余談ですけど、のっぽの名前の由来は、舞台にした団地は戦後実際にあった団地で、あの建物だけ5F建てで、周りの他の建物は全て4F建てってところかららしいです。(監督談)
あと、どうでもいいけれど線香花火を45度傾けて持ってるのが良かったですね。
全員45度で持ってたけど、たいしくんが「こうやって持つと長持ちするらしいですよ。」って言ったと思うととても納得できる。
劇場公開と同時にNetflixで配信も始まっているが、特に音響面で劇場で見てよかったと思える作品。豪雨が迫ってくる感じとか、家では味わえない迫力と臨場感。
石田祐康監督の作品は、前作の「ペンギン・ハイウェイ」もそうだったが、子供の描き方がとてもいい。大人の考える理想の子供像の押し付けではなく、幼くともちゃんと一人の人間として描いているのがいい。
いつの間にか世界の命運がかかった事件に巻き込まれていた、みたいなスケールの大きな話ではないし、描かれている子供達のドラマも言ってしまえばささやかなものだが、子供達にとっては間違いなく一生に一度の、映画で描くに値する特別な体験。そのバランス感覚が好ましい。
キャラクターデザインを担当した方は前作とは変わっているが、方向性は前作を踏襲しており、シンプルな線でキャラの見分けやすさと本当にいそうなリアリティが両立しておりしかもかわいい、見事なバランスのデザイン。本編の作画もよかったし、キャストもよかった。
観る前は,主人公たちが中高生ではなく,小学生ってのにちょっと不安があった。
それこそお子様向け映画かもしれない,と不安だった。
結果,小学生のお話でも問題なかった。
主人公の1人・夏芽のCVが瀬戸麻沙美。彼女の芝居も良かった。
それ以上に脇を固める令依菜役の水瀬いのりと珠理役の花澤香菜の芝居がとても良かった。
おてんば小学生を水瀬いのりが演じてるのが新鮮。水瀬いのりといったら青ブタ・牧之原翔子とごとよめ・中野五月のイメージが強くて。
監督インタビューを読んでもう一回観たくなったな。
» 石田祐康監督、難産の「雨を告げる漂流団地」で抱いた決意 キャラの衝突を避けたら「いい部分が引き立たない」(1/3 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2209/16/news009.html
割と主人公の夏芽への暴言が全ての原因になってる気がする、漂流世界は別として
まあそれがなければ物語が始まらないんだけども
描写も演技も子供が子供しててとても良かった
航祐の発言は子供だとか思春期だとかで擁護できるレベルじゃない酷さだけど、後々それを反省して夏芽に頭が上がらなくなってるところが見たい・・・
珠理と令依菜の関係性てぇてぇ、こっちも高校生くらいになった二人が見たい・・・・
漂流世界はその何もわからなさと相まって不気味な感じが凄かった
のっぽくんとか観覧車の子とかはなんというか八百万の神的な感じなんだろうか、あの終着場で過ごすのだろうけど、切ないなあ・・・
海の底のマクロファージみたいなのは何だったのか、漂流世界に行ったものすべてがあの終着場へたどり着くわけではないのかなあ
思い出の場所が無くなってしまうのってすごい切ないしやるせないしどうしようもないのだけど、そういう感覚を描くと同時に乗り越えていくことを描いてる感じだった
ひと夏の冒険というにはあまりに死が近い。7割がたホラー、残りはノスタルジー。
OPの時間の経過を表現する演出がよかった。
前半から中盤にかけての少年少女の対立、ギスギスした雰囲気の中のサバイバルが結構胸にクる。心配になってしまった。
個人的には団地に縁遠い少年期だったので、郷愁というより廃墟に対する憧憬を感じたといったほうが正しいかもしれない。
熊谷の「ここはお前の家だよ、だけどもう捨てていかなきゃならないんだ」、遊園地の幽霊の「愛してくれてありがとう」が良かった。
思い出を愛し続けること、過去に囚われずに前に進むこと。
大人になってしまったおれはもうそういう物語に感情が動かなくなってしまったかもしれない。
空を飛ぶ団地はほとんどアクシズショックじゃんって気持ちになった。映像はきれい、とても。
作画だけの作品
何を伝えたいのかわからないし、キャラに魅力がなさすぎる
2023年看的
我覺得不錯看
畫風有戳