…普通。
原作を見たのがすでに10年以上前な上に、前回のアニメ版を見てないのでそれと比較としてどうこう言うこともないし、本当に「安定したアニメ化」としか言えない…。
内容そのものは面白いが、オリジナルからのカットでダメになってしまったパターン。
RWBYシリーズに興味を持つきっかけにはいいのかもしれないが、重要エピソードまでカットするのは強引と言わざるを得ない。
各ヒロインのトレイラーを省いたせいでジュニアとヤンの因縁が分かりにくくなっているし、入学試験前のやり取りをカットしたせいでレンの「ナマケモノはそんな風に鳴きませんよ」というセリフも同じく意味不明になっている。〆のVol3もカットが多いため駆け足感があり、物語に集中できない。
特に、ジョーンが弱さと決別する転機となった「永遠の秋に」を全カットしたのは愚策。
見どころの戦闘シーンもカットがいくつかあり、特にVol2の列車での戦いをぶつ切りにしたのは「永遠の秋に」全カットと並ぶ最悪の判断。
前述の通りRWBY入門のきっかけにはいいかもしれないが、できればYoutubeの公式配信か、劇場サイズの日本版をレンタルor配信で見た方がいいだろう。
17年のガッカリ大賞①。
前半は「『異方』という未知の文明・技術に触れた時、人間はどう対処し、変化していくのか」というのを丁寧に描いた、ファーストコンタクトSFとして大いに期待していた。
だが、「異方」とヤハクィザシュニナの正体が明らかになった後の展開が興醒め。そこから、物語は「人類が異方と出会い、どのように社会が変わっていくか」というファーストコンタクトの物語ではなく、チンケなセカイ系とボーイズラブの悪魔合体へと堕してしまった。
「『異方』は三次元以上の高次元文明で、戯れに人間を作り出して、対話可能なレベルに成長するのを待っていた」という設定はまだ悪くない。問題は「ヒトよ、どうか正解されたい」という、人類全体の動向を問うようなキャッチコピーを掲げておきながら、結局最後は真道・ザシュニナ・沙羅花の3者で完結する関係の中の、閉じた物語に推移してしまったことだ。
「カド」は、自分で提示したテーマを自分から投げ捨ててしまったのだ。「ザシュニナは刺激に飢えてるから、人類が頑張って驚かせれば満足してくれるかも!(※意訳)」じゃねぇボケ!!
それで、ザシュニナを打倒するのが真道と沙羅花の娘・ユキカというのも興醒めダブルパンチ。「異方存在である沙羅花と真道の子供が、ザシュニナをも打倒する超存在になる」という理屈がそもそもわからないし、結局個人の力で、かつ武力でザシュニナを倒してしまっているのも、当初掲げていたテーマをガン無視している。
我々が期待していたのは、もっとSFらしい、理屈っぽくて道理の通ったシナリオと結末だ。セカイ系のなりそこない、ましてBLな展開など、微塵も求めていなかった!