本作の大きな特徴は、イベントの過程をあえて大胆に省き、結果とリアクションを中心に見せていく思い切りの良い構成です。このスピーディーな尺の使い方がテンポの良さを生み、重くなりがちなシチュエーションを軽快なコメディへと昇華させています。展開を加速させる適切なツッコミの存在も、ギャグとしての面白さをしっかりと引き立てています。
ストーリー面では、シチュエーションがシリアスへ傾く手前で、主人公クルトが本人の無自覚なまま平気な顔で問題を解決してしまうパターンを徹底しています。この構造により、「どんな事態になってもクルトが難なく収めてくれる」という安心感が作品全体のベースに敷かれています。
さらに、そうした一話完結風のコミカルな解決劇を重ねつつも、今後の展開につながる伏線が最終話に配備されており、次への興味を途切れさせない工夫がなされています。
印象的なのは、全編を通して徹底されたスタイリッシュな演出です。
実写映画を彷彿とさせるカメラワークが非常に洗練されています。単に美しいアニメーションという枠にとどまらず、作品全体に漂う重厚でミステリアスな空気感を演出だけで構築できています。
本作の最大の功績は、メインヒロインであるフェンリース役に釘宮理恵さんを起用し、さらに「旦那様とのラブラブ・ラブソング(オープニングテーマ)」を歌わせたこと。これに尽きます。そのため、メインヒロインが頻出する&オープニングのある第2話からこのアニメは化けます。
ツンデレの第一人者として数々の金字塔を打ち立ててきた釘宮理恵さんが、本作では主人公への好意を全開にする「デレ」に振り切ったキャラクター演じるという構成自体がアニメファンを惹きつける要因になり得ます。
人型ではないモンスターであれば特に躊躇なく倒していく主人公の姿勢には、「あれ、そこは容赦ないんだ…」と少し違和感を覚えてしまいましたが、作品全体に漂うどこかいい加減でゆるい空気感のおかげで、そうした細かいツッコミどころも「まあいいか」と思えてしまうのが不思議です。タイトル通り、まさにすべてがどうでもよくなるほどの「まったり感」を存分に楽しめる回だったと感じます。
第1話の終盤から突如として訪れた超展開には驚かされましたが、第2話に入ると良い意味でその凄惨さが見る影もなくなり、物語の魅力が開花した印象を受けます。
今作を一言で言うならば、「ケモナーのためのくぎゅう(釘宮理恵さん)アニメ」です。
圧倒的な強さを得る主人公の物語でありながら、いつの間にか主人公がフェリス(CV:釘宮理恵さん)にすり替わったのではないかと思わせるほどの存在感と、ツンデレと愛嬌が絶妙に混ざり合った可愛らしさに満ちあふれています。
そんな方々には、刺さる名作だと確信いたしました(なんなら田村ゆかりさんもいらっしゃる…)。
まったりとした異世界生活の中に漂う圧倒的な萌えと癒やしを、今後も存分に楽しみたいと思います。