『薫る花は凜と咲く』は、最終話まで安定した作画クオリティが保たれており、とくに薫子の瞳の描き込みは圧巻だった。
繊細な光の反射や感情の揺れが丁寧に表現されており、思わず惚れそうになるほど魅力的である。
また、薫子の服装や髪型がシーンや状況に応じて変化している点も見事で、キャラクターとしてのリアリティを高めている。
登場人物それぞれがしっかりとした役割を持ち、単なるモブではなく、主人公たちの「友人」として自然に感じられる点も好印象だ。
一方で、設定面にはやや不自然さも見られる。
お嬢様校と不良男子校が隣接している点や、凛太郎が外見だけで周囲に恐れられている点などは、物語としての説得力に欠ける印象を受けた。
火のないところに煙は立たないという言葉もあるが、過去の喧嘩経験そのものが否定されていないにせよ、少なくとも喧嘩での武勇伝や犯罪歴がない人間が“不良”として広く認識されている理由については、もう少し補足がほしかったところである。
漫画が全体的に良かったので7話まで視聴。
場面によってキャラクターの作画品質が安定せず、とくに本城寺さんの表情や瞳の描き方が、良いときと適当なときで別人のよう。
案の定、二期の情報はなく、この先の話が映像化されない点も残念。