カストロプ動乱を見て思ったのだが、ノイエ銀英伝は人物や物事をすっきりと洗練した形で描いているので、石黒版で描かれたアクのある人間味、矛盾や醜さも含めた人間臭さ、人間ドラマに魅力を感じていた自分にはあっさりし過ぎていてどうも物足りなく感じてしまう。
大人になるということ。ラストのジャンが発明したヘリコプターでナディアと二人で空を飛ぶシーンは不思議の海のナディアのイメージを体現しているようで、心にそよ風が吹き向けていくような心地良さがあってめっちゃ好き。
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鎮める寺院。クライマックスの廃墟の中の滝のシーンが素敵。そして、生き物の死を何より嫌っていたナディアが自らの手で廃墟の片隅で咲いていた花を摘む。
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シェーンコップカッコイイ。
けど、ローゼンリッターの見せ場である白兵戦がなかった。
あと、アスターテ会戦の時も感じたけれど、全体的に会戦の経過や戦術的状況説明の描写がわりと端折られている感じで、ヤンの戦術的能力の非凡さがあまり伝わってこないがやや残念に思う。