第1話の戦闘でも示唆されていたが、バトルロワイヤル方式の見習い試験といい魔法使いはかなりの武闘派であるらしい。今は平和であるにしろ魔女制度は戦時下で作られたものなのかもしれない。というか実際これくらい戦えれば近代化以前の戦争では重宝されたのだろう。
ご婦人に金貨を渡して証言を貰う場面は前回の親とフランの取引を髣髴とさせる。「地獄の沙汰も金次第」と言うのか、貨幣化が行き届いている世の中らしい。
イレイナ、物言いは偉そうだがなかなか世話焼きである。「一人じゃなければ駄目なんですよ」耳の痛い話だ。あと顔が良いまま悪い顔をするのも良い。
サヤの心理はちょっと追うのが難しい。頼み事をする為に部屋へ忍び込んで濫用した鍵を見せびらかすというのはどういう考えなんだろうか。単にお調子者というよりも、上の金銭の話も考えるとこの世界の一般人の心性としてマチズモ的な、強かに狡知を誇る習慣があるのかも知れない。
箒と杖のクラシックな魔法世界。調薬から対人戦まで魔女の技能が幅広い。
優秀にして実直な人間が報われるのは良い事だ。「魔女になって旅をしたい」といっても修行の中で「認められたい」など転化した願いを見せるのも理想化された「天才」とは違う人間らしさがある。いやイレイナの中では魔女になる事は初めから旅に出るに足ると認められる為の前提条件だったのかもしれないが。
泣き出したイレイナに真っ先に魔法を見せるフランが生粋の魔法使いという感じで良い。会いたい人というのがイレイナだったとすると最初の「ロベッタの魔女とは違いますので」の言葉にも重みがある。異国に名が轟くほどの俊英が田舎の魔女の下らないプライドに潰される事などあってはならない、と一年もの暇を得て来たのだとすれば、あまりに感嘆すべき義侠心ではないか。
領主ともあろう者の妻が別で仕事をしているのは江戸の人質みたいなものなのか、そんな大した意味はないのか? 随分リベラルな感じなので単に働きたかっただけかもしれない。
ハンバーガー、正式な作法でもバゲットは素手で食べるはずなのでそんなに行儀悪くは見えない。
シアは珍しく常識的な警戒心を持っているようだ。
これ絶対性格合わないやつじゃない? と思ったがそうでもないらしい。
家電は魔法でどうにかしているとしてもユナの食生活の水準が物凄い事になっている。現実の中世ヨーロッパなら主に砂糖のせいで莫大なコストがかかっていそうだが、まぁそれは地理的要因が大きいからこの世界ではどうにかなっているのだろう。
シュリはかわいいが大分危なっかしい様子だ。
ちゃんと死にに来る虎杖である。前回「なんで俺を助けた」の意味をよく分かっていなかったが、虎杖も両面宿儺を制御しきれない可能性があるのにということか。呪術師と言うだけあり負の感情に肯定的なのが面白い。パンダとは
公共性(要するにこの街への愛着)が芽生えたユナだが、領主を悪人と思い込み直情的になった事を後悔する。言うなれば『鋼の錬金術師』的に、最初から能力は上限だが精神的な成長を描こうという意識がはっきり表れている良い回。ただ経営の仕事を押し付ける場面などノリがあからさまでやや恥ずかしい。
「貸し」を早速治療のために使うのかと思ったがそうではなく、ユナは自力で治療を行う。単純に強いのとはまた違うレベルで条理を覆しているが、魔法として名前がなかったし今後使う事はないのだろうか。
全体的に劇的という訳ではないが、仲間の印が散っていくところなどなかなか残酷。ひよこがこの僅かな思い出を良しとして別れを受け入れるのも個人的に来るものがある(子供がそんな覚悟をしなければならない世界など間違っている)。全ての優しさが実る訳ではないが、それでもできる事をする。そう考えると見た目に反して非常に現実的であり、また強くもある。
ルリーナのリアクション芸が光る回。
土魔法の生成物は解除可能だが常時魔力を消費する訳ではないのか。
一瞬で作ったとはいえ自宅に相棒の仕事場を作るとはなかなか粋だ。
「神を信じますか」と訊いてくる神、幼女戦記並みに嫌だな。前回あまり異世界転生って感じじゃなかったけどそうらしい。
戦闘が前回よりちゃんと見せ場で迫力があって良い。「レベルによって」と言う割に最初から強いが何か背景があるのか。
獣の解体と言うと「草場権」的なものをフィナの出自に推測しないでもないがまぁこれは無駄な深読みの可能性が高い。
ユナはフィナを気に掛ける理由を明言しなかったが、自らの境遇に照らして思うところあるのだろうか。
これみんなAIなんだろうか、だとしたらめっちゃ社会性終わりになりそ~(だってこの世界で完全に自己実現、俗に言えば承認が得られるので)と思ったが、ちゃんとそういうリアル側での反-人間関係が描かれていたので結構信頼できそうな作品。かわいいに振り過ぎない落ち着いた主人公の声も良い。
戦闘描写はやや迫力に欠けるか。
明るい色調と不釣り合いに深刻なクエスト内容はユナと周囲との距離感を示唆しているだろう。この周囲とはリアルだけでなくゲームをも含んでおり、だからこそカイの言動を一歩引いて観察したりしている。そう考えると、これから先の展開は在り来たりなリアルへコミットする話ではなく、むしろこのゲーム世界へコミットしていくという方向性もあり得るのだが(次回登場する少女も重要人物のようだし)、はたして。
楓の「来いと言ったり待てと言ったり」が鋭く指摘している様に、甲斐甲斐しく梨璃の身支度をする一方で戦場に出ると突き放してしまう夢結の行動は矛盾しており、生来の人間性と自罰感情が綯交ぜになっている心情が察せられる。
夢結の雪解けが梨璃だけでなく周りのコミュニティからも見守られ歓迎されているのも印象的。
美鈴はずっと死んでるものと思って(だって生きてるならあんな孤高! って感じにならなくない?)寮で話しているのを別人と思っていたから、祀が出てきた時どっちが本当のルームメイト!? となっていた。普通は「死んでる」であれが幻影と分かる訳だ。
アニメ的でありながら立体感のある顔が好きなのでアバンの「変な子」のカットはかなり好みだ。
「落ちこぼれ」みたいな属性はアイデンティティとして主人公だけに課される事が殆どの印象なので二水との共通点として働いているのは興味深い。
完全に摸擬戦する流れかと思えばそうでもない。こういうところ在りし日の学園ラノベアニメ的なノリで観ていると屡々裏切られるが、別に気にしないで観るのが正解な気もする。
夢結がいきなり(いや不発の楓の行動はあるが)ビンタするのはかなりビビる場面というか何故。いきなり襲ってきた不届きな部外者に怒って? それともシュッツエンゲルに値しない人間性を演出しようとして? 梨璃は普通に喜んでいるがそれでいいのか。変わった理由が知りたいと言っていたからまぁ目的に適ってはいるか。楓は第1話の心酔から打って変わって「すっとこどっこい」とまで言っているが頷ける反応。梨璃は逆にそれだけ夢結の善性を信じているという事か。ビンタされての困惑(元から梨璃に受け止められて動揺してはいるが、手と目線からこの時点で楓の注意は夢結のビンタに行ったと考えていいだろう)から怒りを再燃させてビンタし返すまでの表情変化が特に印象的。
浴場や寮でのコミュニケーション描写は実在感があってよい。「風呂アニメ」と称されたアンジュ・ヴィエルジュが懐かしい。
話の流れにはややぎこちなさを感じるが、戦闘や表情などの画は良質で百合バトルアニメ的に期待できる。特に楓の動向は気になるところ。
シックな制服デザイン、このごった煮ばかりのご時世に北欧神話一本のモチーフ、下半身重視の体型(キャラクターデザイン)など味のある要素が多い。