大きな満足と完結の寂しさとともにこれを書いています。三ヶ月間、とても充実した時間でした。水上悟志さんをはじめとする全てのスタッフに、心から感謝を。
キービジュアルの「幸せだったことを俺は忘れない。」も今回のサブタイトルも、ここでこう使われるのか!という完璧な回収だった。銀子の涙には、思わずこちらももらい泣き。大筋はベタな展開で意外性には欠けるかもしれないが、この作品にはふさわしいと思うし、ここまで積み重ねてきた登場人物の描写によって、ちゃんとこの作品ならではの味わいがある。
水上悟志さん原作作品の初めてのアニメが、こんなにもいい形になったことに、ファンの一人として感謝に絶えない。画面からは原作へのリスペクトが感じられたし、作画は高いレベルで安定していたし、キャスティングは絶妙だし、声の演技に心を震わされたシーンがたくさんあったし、音楽や音響は作品を大いに盛り上げてくれた。
マジ最高。
これまで積み重ねてきた伏線やドラマが集まり溶け合って一つの大きな絵が立ち上がってくるような、見続けてきてよかったと思える回だった。
競い合ったみんなに見送られながら、華恋がひかりを迎えに行くシーンは、この作品でなければできない表現たり得ていたと思う。地下深くへ失ったパートナーを取り戻しに向かうというシチュエーションは、古事記のイザナギとイザナミが思い出され、神話的イメージがある。
心の中で奇声を上げっぱなしの30分。オカ研部長の名前が判明したあああ宗矢とのぞさんがラブラブだあああ熊代さんが眼鏡っ娘になってるうううネビュラの中に水上悟志さんの他作品のキャラがいるううう髪を下ろした銀子がすっかりお姉さんだあああ根津屋先輩が役に立ったあああ以下略。
宗矢と銀子が、屋根の上で互いを姉・弟と呼び合うシーンに胸が詰まる。たくさんのものを失って泣いていた宗矢を思うと……。もうこれだけでも、5年後を描いてくれたことに感謝したい。
楽園の民と龍との関係が兄・弟であったことが明らかになったことで宗矢の立場と重なる、という持って行き方の上手さに唸る。これによって、龍を倒すのではなく赦すのだ、という宗矢達の立ち向かい方にグッと共感が増した。
最終回前にして既に感無量。次回の大団円を楽しみに待ちたい。