あ、今回で原作第1巻終わらないんだ。第1巻の残りページ数は多くないので、次回で原作第2巻に突入する感じ?
このペースだと、OPにも姿が見えるティオが登場する第3巻のラストまでいくには話数が足りなさそうなので、どこかが大幅にカットされるのか。
今回もボス戦があまり盛り上がらない……。やっていること自体はほぼ原作通りなのに、こうも受ける印象が変わるのだから、映像化って難しい。作画は悪くないんだけどなあ。
ハジメ達もヒュドラも、ダメージを受けても見た目があまり変化しないので、どちらの攻撃もショボく見えるし、勝負の天秤の傾き具合もわかりにくい、というのはあるかなあ。3DCGでのダメージ表現はたいへんだというのはわかるが、白頭の極光を喰らって瀕死のはずのハジメも、手描きだけどせいぜい右目から流血しているぐらいしか変化がないし。
あと、ヒュドラさんは全般的に狙いが甘過ぎ。真面目に倒す気あんの?ってくらい。
細かいところでは、シュラーゲンの射撃がビームみたいな表現だったのが残念。実体弾のロマンというものがですね。
曾根崎さんのエピソードが困ったことにとても面白くてキュンキュンするので、「眼鏡を外して美人」イデオロギーを断乎否定したい派としてどう対したものか、考えあぐねている。
作画レベル高めで、特にユエの表情に魅力的なものが多く、全体としては悪くなかったと思う。
でも、サソリモドキ戦の盛り上がらなさはなんなの……。原作はもっと盛り上がった印象があるんだけどなあ、と思いつつ原作を読み返す。決着の仕方が異なるくらいで、戦闘の流れはほぼ同じなのだが、受ける印象がだいぶ違う。
アニメ版はそもそも画面が暗くてよく見えない上に、原作を読んでいないと何をやっているのかがわかりづらい。サソリモドキ戦は、どうやって硬い外殻を突破してダメージを与えるかが最大の問題なのだが、硬さに手を焼いている感がやや弱い。
決着の仕方もなぜ原作と変えたのかよくわからない。原作では一発しか撃てなかった最上級魔法を、魔力を回復させた描写もなく続けて二発撃ったのは、最上級魔法の価値を下げていないか。トドメの差し方も、原作の方が全力を尽くしている感があった。
一番緊迫感を削いでいたのは、シーンに合っていない音楽だろうなあ。ユエが一発目の”蒼天”を撃つあたりとか、違和感MAX。今回は随所に首をひねるような音楽のつけ方をしたシーンがあった。
以降は気になった点。原作に思い入れがあるのでその分割り引いて読んでいただきたい、と一応お断りしておく。
オルクス大迷宮突入までを大きく端折ったのは、週1回30分ずつというTVアニメの放映形態に合わせて、ストーリーが大きく動くところをなるべく前に持ってこようとしたのだと推測する。
しかし、ねらいは理解できるが賛同はできないし、上手く改変できているとも思えない。まず、必要以上に時系列をいじっているのがよくない。受け手に強いる負担に見合う効果が見込めるのでもない限り、時系列は極力いじるべきではない。第1話はわかりにくさが増しているだけだと感じた。
わかりにくさという点では、第1話は全体的にそうで、ベヒモス戦とか、ハジメがあの状況でどう貢献していたのか、原作未読の方にわかるのだろうか、と心配になった。あと、ハジメが園部優花を助けるシーンがカットだったけど、補完はあるのだろうか……。
そして、一番まずい改変だと思うのは、トータスに召喚される前の地球での様子をほぼ丸ごとカットしていること。さすがに後々もうちょっと回想で描かれるとは思うけど……。
ハジメの望郷の念は、おそらく今回のアニメ化範囲外ではあるが、後々の展開で非常に重要なファクターとなる。変身する前のハジメがどういう人間だったのか、ハジメが帰還を願うのはどういう場所なのかは、それが何の変哲もない風景であったとしても、受け手の想像に任せるのではなく、絶対に具体的に描写しておく必要がある。そりゃあ1クールだけなら問題にはならないかもしれないけど。
今後もアクションシーンは多いし、原作は物量こそ強さみたいなところがあるので、映像化はたいへんだと思うが、次回以降も楽しみに待ちたい。